31歳誕生日の長谷部「年を重ね、サッカーをする喜びを感じている」

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「こうしてサッカーをやれて、代表としてアジア杯を戦えている。そういうときに誕生日を迎えることはうれしいこと」。18日、31度目の誕生日を迎えたMF長谷部誠(フランクフルト)は、感慨深げな表情を浮かべていた。

 目の前には報道陣が用意したバースデーケーキ。風が強く、ろうそくの炎が消えそうになるのを見て苦笑いしながら吹き消すと、「年を重ねていろいろな経験をし、サッカーをする喜びを非常に感じている。いろいろな人の支えの中でやっているので恩返しをしたい。もっと成長して活躍しているところを見せたい」と、さらなる抱負を口にした。

 1年前の誕生日は苦しみの淵に立たされていた。当時所属していたニュルンベルクのスペイン合宿中に右膝を負傷。誕生日前日の1月17日に手術した。「ちょうど1回目の手術をして病院にいましたからね。でも、ついこないだのような気がします」

 サラッと振り返ったが、そこは長谷部の精神力。負傷は2月末に再手術を余儀なくされるほど重篤なもので、ブラジルW杯出場に暗雲が立ちこめるような状態だった。「1年経つのが早い。こうしてまたプレーできるということはうれしい」。言葉に実感がこもっている。

 20代の頃の自分自身と比較し、変化してきたことがある。「若い頃は自分のためとか、良いプレーとかに重点を置いていた。それも周りのためになると思うが、いろいろ経験して、いろいろな人の支えの中でやっているので、少しは周りのことを考えられるようになったのかな」。いや、少しではない。周りをしっかりと観察し、過不足なくキャプテンシーを発揮する姿は、だれもが称賛するものだ。

 ヨルダン戦に向けて移動したメルボルンでの最初の練習は、気温18度程度の涼しい気候の中で行なわれた。ブリスベンとは15度近くの気温差だが、「こっちはブリスベンと違って涼しいし、試合は夜なので、サッカーをしやすい環境だと思う。暑いところから来たので体のキレなどは良いものを見せられると思う」と涼しさを歓迎する。

「(2連勝しているが)まだグループリーグ突破は決まっていない。ここで負ければ敗退する可能性もあるので、しっかり準備していきたい。ケガ人も少しずつ出ているが、アジア杯は総力戦というのは大会前から分かっている。最高の準備をし、勝って決勝トーナメントへ勢いをつけていきたい」。31歳はさわやかに意気込んだ。

(取材・文 矢内由美子)