何かを覚えておきたいとき、メモを取る人は多い。でもそれではかえって逆効果になる、という研究結果が発表された。

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「インターネットが記憶をむしばむ」という言説があるが、『Mind Change』の著者、バロネス・スーザン・グリーンフィールド教授は、まさにそれが起こっていると主張している。

彼女が著書の中で引用しているのは、「グーグル効果」という現象についての研究だ。2011年に発表されたその研究で、ベッツィー・スパローとその同僚たちが明らかにしたのは、インターネットが外部記憶装置のようになったとき、コンピューターに情報を保存した人は、それが消滅されると分かっている人に比べ、あとでそれらを思い出せなかったという事実だ。

「将来あらゆる情報を外部記録に頼るようになって、自分の記憶として取り込まなくなったとしたら、いったいどうなるでしょう?」と、グリーンフィールド氏は警告する。

しかし、彼女は、もっと目の前にある脅威を見逃している。インターネットは日々普及し続けているが、世界規模でみれば依然として、メモを取る人の方が多い。

この「紙」という2,000年以上前に発明された技術がわたしたちの記憶におよぼす真の脅威を、科学者たちは、いまになってやっと明らかにした。

カナダのマウント・セント・ヴィンセント大学のミシェル・エスクリットとシエラ・マーは、学生グループを集めてトランプの「神経衰弱」ゲームを用いた実験を行った。同じ絵柄の2枚の位置を記憶したあと、カードは裏返して置かれる。プレイヤーはカードを1枚めくってはそのたびに、そのカードと対になるカードの位置を思い出さなければならない。

実験では、記憶のために与えられた時間中、半数の学生にはカードの位置と正体について紙にメモをとる機会が与えられた。そのほかの学生たちは、元から備わっている記憶力に頼るしかない。また、与えられた時間が過ぎると、メモをとっていた学生たちのメモは没収されてしまう。

両グループはさまざまなカードの位置と正体についてテストされた。そして結果としてわかったのは、メモをとっていたグループの方が、カードの位置を思い出すことについて、ずっと成績が悪かった、という事実だ。

「メモをとっていたグループの方が、カードの位置と正体に関して、優れた記憶があるはずだと予測された人もいるかもしれません」と、研究者たちは語る。でもそうはならなかった。メモをとった学生たちは、記憶の貯蔵に外部形式の技術を頼るあまり、彼ら自身の神経シナプスは、何もせずにいたのだ。

読者諸兄には、ぜひこのことをメモして欲しい(いや、実際にはメモにとらずに、単に覚えていて欲しい)。メモを取れば、あなたの記憶をむしばむ。あなたの脳を救うには、鉛筆を置き、メモ帳から離れよう。

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