主導権を握りながらも決め手を欠いた内容に、地元メディアからもネガティブな評価が少なくなかった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト編集部)

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 ブリスベンでの日本とイラクの対戦は、その3日前にニューカッスルで行なわれたパレスチナ戦よりは確実に注目を集めたのではないだろうか。

【マッチレポート|日本 1-0 イラク】

 
 そのブリスベンの地元紙『クーリエ・メール』紙は、試合当日の朝に出た紙面で、日本代表のトピックを大きな選手の写真入りでほぼ一面を割いて紹介していた。やはり、ブリスベンで優勝候補筆頭の日本がグループリーグ一番の難敵であるイラクと対戦するということで、地元紙として少々張り切ったのかもしれない。
 
 その『クーリエ・メール』紙が、ウェブ版で試合終了後まもなくアップしたのが、同紙の名物記者マルコ・モンテヴァルディ記者による速報記事。
 
 試合結果に関しては、「何度も素晴らしい攻撃の組み立てを見せながら決めきれない日本は、本来であれば先のパレスチナ戦と同じようなスコアで試合を終われていたはず」と、日本が決定機を数多く逃したことを鋭く指摘。さらに、記事の最後を「昨日の日本からのレポートによれば、アギーレ監督は、自らの八百長疑惑の告発が受理されたことを受けてアジアカップ終了後には解任される見込み」とアギーレ監督の八百長疑惑について一歩踏み込んだ記述で結んだ。
 
 また同紙は、翌朝の紙面で「日本、シュートが決まらずも持ち堪える」との見出しで同じモンテヴァルディ記者の署名記事を載せた。大きな写真付きのこの記事は、「幾つものチャンスを無駄にしながらも、日本は決勝トーナメントへ大きな一歩を刻んだ」「本田は、三度もシュートがポストを叩かなければ、少なくともハットトリックで試合を終えられたはず」と、これまでのサッカルーズ以外の試合と比べれば比較的大きめの扱いで試合を伝えた。
 
 試合を生中継したFOXスポーツのコメンテーターで往年の名選手ボビー・スレイターは、本田がPKを決めた時には「この大きなプレッシャーが掛かる場面でなんともクール」と冷静な本田を褒めて見せたが、本田が二度目に絶好機を外した際には「こういう決定機は、きちんと決めなければいけない。そうでないと日本はこの大会で大きな代償を払うことになる。(中略)彼のようなクオリティ・プレーヤーにすれば、(この決定機を外すのは)とてつもないレベルのミス」と本田の実力を認めるがゆえに苦言を呈した。さらには、試合後のFOXスポーツのウェブサイトには「本田、決定機を逃す」というタイトルで、この日の試合で本田が決定機を外したシーンだけを編集した動画も上がっていた。
 
 試合会場には、地元オーストラリアのメディアも多く駆けつけていたが、当地で“アジア・サッカーのスペシャリスト”として知られるポール・ウィリアムズのやや皮肉めいた言葉がこの日の日本を言い当てていた。
「ある意味、典型的な日本の試合。ゲームは支配するが、スコアボートを支配できない。確かに勝ったが、今日のような試合ならばスコア上でも相手を圧倒しなきゃいけない」
 
 好調な自国代表サッカルーズの最大のライバルとして、改めて注目を集めてきた日本の存在。これからは試合を追うごとに、その関心が高まってくるに違いない。そして同時に、アジア王者への要求レベルも上がっていくのだろう。
 
文:植松久隆(フリーライター)