2試合連続の完封勝利にも、むしろ気を引き締めた吉田。さらなる高みを見据えるDFリーダーの存在は頼もしい。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 後半に押し込まれる時間帯がありながらも、粘り強い守備でイラクの攻撃を凌ぎ切り、2戦連続の完封勝利。守備陣はそれなりの手応えを掴んだかと思いきや、ミックスゾーンに現われた吉田麻也の表情は曇っていた。

【マッチレポート|日本 1-0 イラク】
 

 
「グループリーグ突破に近づいたとは思いますけど、次の試合も勝たないといけない。自分たちは、アジアのなかでそういうレベルのチームだと思っています。今日の試合については、攻め込まれても正直、怖さはあまりなかった。(イラクに)そこまでのクオリティがあったとは思えない」
 
 吉田がなにより気にしていたのは、自分たちの試合運び。イラク戦に限れば、決めきる力が足りなかったという。
 
「もっとゴールを取れるゲームだった。楽にゲームを進めるためには2点目、3点目が必要だった。自分たちで自分たちの首を絞めたところはありましたね」
 
 ディフェンダーにしてみれば、もどかしい試合展開だった。決めるべきところで本田(なぜか大会選出のマン・オブ・ザ・マッチに)が決めていれば、日本が最後まで苦しむことはなかったのだから。それでも、吉田は苛立ちなど見せずに集中して守り抜いた。
 
「点が入らない時は、後ろにいる俺たちが我慢しなくてはいけない。こういう試合はアジアカップだけじゃなく、ワールドカップ予選の中東勢とのアウェー戦でもきっとある。そうなった時にもしっかり勝ちを手繰り寄せるようになりたい」
 
 彼に言わせれば、イラク戦の完封勝利は「当然」の結果で、「大事なのは続けていくこと。2試合良かったから満足するのではなく、大会の最後までクリーンシート(完封試合)で行きたい」。
 
 アジアで苦しんでいるようでは、日本に明るい未来などない──。「もっともっと上を目指して行きたい」というコメントからは、吉田がプレミアリーグという厳しい戦場で培った“高い志”が見て取れた。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト)