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理化学研究所(理研)は1月16日、2光子造形法によりガラスマイクロ流体構造内部に精密な3次元構造を有する機能素子を形成する技術を開発したと発表した。

同成果は理研光量子工学研究領域 理研-SIOM連携研究ユニットの杉岡幸次 ユニットリーダーらの研究チームによるもので、1月1日に英オンライン科学誌「Light: Science & Applications」に掲載された。

高速・高感度で分析できるバイオチップは、医療やバイオ化学、環境などの分野で注目を集めており、マイクロ流体デバイスなど、いくつかの機器は市販されている。同研究チームはこれまで、パルス幅が数十~数百フェムト秒(1フェムト秒は1000兆分の1秒)のフェムト秒レーザーを用い、透明材料であるガラス内部にガラスマイクロ流体構造を作る技術の開発を行ってきた。しかし、従来技術では、ガラスマイクロ流体構造の作製時に、内部にいくつかの機能素子を形成できるものの、加工解像度の制約から、マイクロ/ナノスケールのより複雑な三次元構造を有する機能素子の形成が困難だった。

同研究ではまず、作製済みのガラスマイクロ流体構造の中にネガ型レジストと呼ばれるポリマーを流し込んだ。次にフェムト秒レーザーを用いて光の波長の数分の一以下の加工パターンが得られる2光子造形を行い、レーザー光照射領域のポリマー同士だけを連結させ、他の部分を洗い流すことで、ガラスマイクロ流体構造内部に三次元ポリマーマイクロ/ナノ構造体を形成することに成功した。

この技術は作製済みのガラスマイクロ流体構造内部に後から三次元ポリマーのマイクロ/ナノ構造体を形成できることから「ボトルシップ型フェムト秒レーザー三次元加工技術」と名付けられた。今回の研究成果は、3次元多層バイオチップの実現につながる可能性があるほか、市販のバイオチップの高機能化への応用も期待できるという。