『なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか (講談社+α新書)』福本 容子 講談社

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 元プロバスケット選手のマイケル・ジョーダンに、元プロボクサーのマイク・タイソン、俳優のブルース・ウィリスやショーン・コネリー、ジョン・マルコビッチ、映画監督のロン・ハワード、起業家のセス・ゴーディンらにはある共通点があります。

 そう髪型です。髪型というか、皆さんキレイな"ハゲ"なのです。

 彼らは、男性ファッション誌『GQ』で発表された「アメリカで最も影響力のあるハゲ100人」(薄毛含む)に見事選出された面々。

 確かに誰もが影響力がありそうですし、またそれと同時にハゲています(薄毛含む)。彼らは髪の毛がないから影響力を持つことができたのでしょうか。

 毎日新聞論説委員でジャーナリストの福本容子さんは、自著『なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか』で研究者アルバート・マンズさんの、髪の毛と影響力について調べたある研究をこう紹介しています。

「フサフサの髪には生命力、活力、威厳、支配力といった意味が重ねられる。しかし現実は、半数の男性が50歳になる前に、薄毛を経験する。そうなると、ますます『活力への象』へのあこがれ、執着が始まる、その結果、薄毛を隠そうとしたり、植毛手術など外科的な措置によって自然の変化に逆行しようとする。それが一般的であるからこそ、あえて頭髪を剃り落とし、潔く活力の喪失を世間にさらす男性は、自力で執着を断った強い男、活力のある、支配力のある男、という印象を与える──」

 つまり、ハゲ(薄毛)であっても堂々としていれば、ある種"武器"として活用することができるというのです。たしかに冒頭に挙げた著名人らは、それぞれが薄毛を隠そうとせず、堂々とハゲとして各界で活躍しています。

 それは海外だけでの話では? と思われがちですが、日本でもハゲ支持者が多いことがわかるエピソードが同書で紹介されています。たとえば読売新聞のオンライン版にある「発言小町」という投稿欄では、「ハゲとカツラはどちらが良いのか」と激論がかわされた話。婚活中のある男性が、カツラでハゲ頭を隠してお見合いに挑んだものの、20回全てで結果を残せなかったとか。そこでこの投稿欄に「ハゲとカツラ、どっちがいい?」と当人が質問をしたところいろんな意味で不毛な議論が始まったのです。

 議論の結果は、「ハゲ賛成」(とみられる、も含む)が268票で、「カツラ賛成」(同)が10票、なんとなんと、268対10という圧倒的大差で「ハゲ」が支持を得たとのこ(ちなみに、残り36票は「どちらでもいい」とか「見かけを気にしている段階でアウト」といったものだったとか)。

 ハゲ派からは「ハゲていても堂々としていることがむしろ魅力につながる」「多くの女性が嫌がるのは、バーコードやかつらとか『必死に隠そうとしているハゲ』」といった意見があったようです。

 ハゲはじめたら育毛で踏ん張るのも、かつらや植毛で隠すのも一つの手ですが、割りきってハゲとして生きていくことも、人生を豊かにする選択肢の一つなのかもしれません。