2014年11月の「世界糖尿病デー」に合わせて国際糖尿病連合が発表したデータによると、14年現在、世界の糖尿病患者人口は3億8670万人。20〜79歳の成人に限れば、12人に1人が糖尿病患者だ。

 日本の成人糖尿病患者は721万人で、世界ランキング10位。30年には1000万人を超えると予測されている。

 2型糖尿病の怖さは高血糖に伴う合併症にある。失明や腎機能障害、手足の痺れや知覚まひなどつらい神経障害が代表的だが、脳機能にも影響することが解っている。

 米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らが1万3000人を超える住民(登録時年齢48〜67歳)について行った20年間の追跡調査では、中年で新たに2型糖尿病と診断された人は、血糖値に問題がない人と比べ、脳の老化スピードが速いことが明らかになった。少なくとも5年分の差が生じるという。65歳の糖尿病患者の認知機能は健康な70歳並みというわけ。

 糖尿病と診断されるHbA1c値は6.5%以上だが、本調査では、程度は軽いとはいえ前糖尿病状態のHbA1c値5.7〜6.4%でも、HbA1c値5.7%未満より認知機能の低下が認められている。10年後、20年後の自分のためにも、気を引き締めて血糖コントロールをするべきだろう。

 基本はやはり、禁煙と適度な運動、そして食生活の改善である。

 もちろん発症予防に越したことはない。続けやすい習慣を一つ紹介しよう。1日1カップのヨーグルトだ。米ハーバード大学の報告では、1日1カップのヨーグルトで、2型糖尿病の発症リスクが18%低下する。

 英国のノーフォーク州の住民を対象とした研究でも、低脂肪ヨーグルトを週平均4.5カップ(1カップ:120グラム)食べていた人は、発症リスクが28%低下することが示された。

 2型糖尿病患者の腸内環境は悪玉菌優位であることが知られている。詳細な因果関係はまだ不明だが腸内環境を改善すると、2型糖尿病の発症予防につながる可能性は高い。15年はぜひ、ヨーグルトをお試しください。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)