インサイドハーフで本領を発揮し切れていない香川。積極性を打ち出し、再び輝きを放つことができるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 さて、どこまで改善されるだろうか。
 
「やはり高い位置でボールを受けたいですしバイタルエリア付近でボールを受けて、シュートまで持っていくというイメージは強く持ちたい。そのなかで両ウイング、1トップとうまくコミュニケーションを取れればと思います」
 
 イラクとのグループステージ第2戦を翌日に控えた香川真司は、一つひとつの言葉に力を込めた。攻守両面に関わっていくインサイドハーフのポジションでも、自らの個性を封印するつもりはない。攻撃的な姿勢を彼から取り除いてしまったら、ピッチに立つ意味が消えてしまう。オンザボールの局面で輝き、ゴール前への飛び出しで攻撃を仕上げるのが、背番号10のメインタスクである。
 
「イラクはポゼッションもできるし速い選手もいるので、取られ方が悪いとカウンターを食らう危険がある。でもそういうリスクを怖がる前にどんどん前へ出ていきたい。そこで数的優位を作って前線の選手と攻撃に絡んでいければと思います。もちろんバランスは考えますけど、守備のリスクマネジメントを考えて特別に慎重になることはないし、基本的には前への意識を強く持って飛び込んでいきたい」
 
 雨に見舞われたパレスチナ戦から一転して、イラク戦は暑さとの戦いになりそうだ。キックオフ時間の19時でもピッチ上は熱気に覆われ、スコールが降れば湿度も高くなる。
 
「この気候ですから体力的に消耗しやすいし、90分を通してうまく戦わないといけない。パレスチナ戦は攻め急ぐ場面が多くて、そこでミスが生まれた。失点しなかったから良かったですけど、全部前へボールを入れるんじゃなくて、時間を使ってボールを回すことも必要になってくる。あとはやっぱり、単純なミスをなくす。パレスチナ戦のようなミスが多くなると厳しい戦いになるし、相手のカウンターを食らうような不味いプレーは避けたい」
 
 自身二度目のアジアカップは、インサイドハーフとしての自分を作り上げる格好の機会だ。そのためには、ピッチ上でのトライが欠かせない。積極的なミスはむしろ歓迎だ。
 
「優位に立って試合を進めることが理想ですけど、暑さもあるから相手の時間帯も必ず出てくる。そのなかで自分たちの時間帯をより長くして、先制点を取れればいい」
 
 パレスチナ戦後に課題に挙げたクロスの精度を、どこまで高められるか。それ以上に、どれだけアグレッシブにプレーできるか。
 試合前日の香川が表情に浮かべたのは、明確な野心である。

【アジアカップphoto】日本 4-0 パレスチナ