2015年の年頭を飾る初場所が11日から東京・両国国技館で始まった。初日から逸ノ城と遠藤の初対戦が実現、館内の熱気はピークに達するなど、年があらたまっても相撲人気は上々。その中心にいるのは、史上最多単独33回目の優勝に意欲を燃やしている横綱・白鵬だ。

 去年も6場所のうちの5場所を制覇。他の力士たちが伸び悩んでいるだけにVの可能性は高いが、不安材料もある。このところ、場所前の稽古は減る一方で、今場所も出稽古して本格的に汗を流したのはわずか4日間だけ。昨年暮れの横審の稽古総見では、顔は見せたものの、足の腫物を理由に1番も稽古せず、「マイペースもいいが、力を維持したいのならもう少しやらないとダメだ」と北の湖理事長も苦言を呈していた。
 「土俵に上がってやるだけが稽古じゃない」「土俵の外の四股、鉄砲、すり足もリッパな稽古だ」と白鵬は話すが、最近、同じ勝つにしても際どい勝負が増えているのが気になる。明らかに“稽古の貯金”が減ってきているのだ。

 この減り続ける稽古量に反比例するように周りの力士に対する小言や文句が増えてきた。場所前の7日には、出稽古先で右肩の違和感を訴えて稽古しない逸ノ城に、「今しっかりやっておかないと今後に響くぞ。考え方が甘い」と一喝。その翌日も、6場所ぶりに小結復帰の栃煌山と稽古の最中、栃煌山の立ち合いのタイミングがちょっと遅れると、「ちゃんと手をつけ。早く」と怒声を浴びせている。
 圧倒的な強さを誇った数年前のような力の差を示せなくなり、どこかイラ立っているのかもしれない。北の湖理事長は、「一度つまずいて優勝から遠のいてしまうと、元に戻るのが難しくなる」と警鐘を鳴らす。

 あの大鵬も今の白鵬の年齢29歳を過ぎてからは、たった1回しか優勝していない。栄光と挫折は背中合わせ。白鵬はこれらの不安を完封できるだろうか。