変わりゆく日本の、あたらしい仏壇のかたち

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デザイナー鈴木啓太がつくったのは、現代的な住宅に溶け込む「仏壇」だ。住環境や価値観が変化するなかにあって変わらない「死を悼む」という行為を、彼はいかにデザインしたのか。

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伝統的な仏壇は目を見張るほど美しい。大きさや装飾はさまざまだが、金や漆が使用された精巧なものもあるし、小像を配した壮観なものもある。それぞれ、祈祷や瞑想の中心にあるものとしての役割を果たしている。

日本人の多くは「不可知論者」だという。しかし、彼らにとって死を取り巻く儀式が行われる場所といえば仏教の寺院だし、家で行われるとしても、仏教式のしつらえが用意されていた。

最近ではその伝統も、さまざまな理由から絶滅の危機に瀕している。都市に住む若い世代は、地方の祖父母たちとは違った価値観をもっているだけでなく、住んでいる部屋もずっと狭い。つまり、仏壇を置くスペースなどまったくないということだ。

デザイナー、鈴木啓太が展開する「偲」(“SHINOBI“)は、都会に住む人たちが仏教式の追悼の儀式を続けられるようにと考案されたものだ。無印良品の店の棚にぴったりなじむような、洗練された、靴箱サイズの仏壇コレクションである。

鈴木の試みは、現代的でミニマルな住宅に合うように仏壇をアップデートするものだ。お経が詠まれるの間に使われるお香、ロウソクなどの道具は金属製の無彩色の箱に入っている。手前に開く扉の代わりに、この仏壇には竹製のブラインドが設けられている。空間を1インチたりとも余分に使わずに済むのだ。

日本において仏教が衰退しつつあると示すデータもあるようだ。地方にはいまだに何千もの寺院があるものの、檀家の数はひどく落ち込んでいる。つまり、存続が危ぶまれているということだ。

しかし、2011年のこと。大地震がこの国の東北地方沿岸に津波を引き起こした後、鈴木はこの地域に赴いて生存者を訪ねた。この災害では多くの人々が命を落としていたが、仮設住宅内であっても、人々が故人を悼むための小さな仏壇を置いていることに鈴木は気付いた。悲劇のなか、伝統はまだ失われていないように、彼には思われたのだ。

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