機を見た攻め上がりで厚みを加えるボランチのカシム(左)、「イラクのC・ロナウド」の異名を取るヤシーン(右)など、若き精鋭を揃えるイラクは難敵だ。 (C) Getty Images

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 イラクはヨルダンとの初戦に「決勝戦のつもり」(MFヤースル・カシム)で臨み、隣国との死闘を1-0で制した。
 
 2014年12月19日に就任したばかりのラディ・シェナイシル監督率いるチームは完成度に懸念があったが、ヨルダン戦では規律と戦術を叩き込まれている姿を見せた。
 
 優勝した2007年大会のMVPユーニス・マフムード(10番)を1トップに据え、2列目から後ろには近年のアジアのアンダー世代を席巻してきた若きタレントがズラリと揃う。
 
 A代表の最年少出場記録を持つ18歳のアタッカー、フマム・タリク(11番)は初戦ではノーインパクトに終わったが、右ウイングのアムジェド・カラフ(7番)は13年U-22アジアカップMVPの名に恥じぬ働きを披露。所属クラブでも同僚の右SBワリード・サリム(23番)との見事な連係で、右サイドを度々崩していた。
 
 カシム(5番)とサード・アブドゥラミール(21番)のセントラルMFは、スタミナ、守備力、展開力とも申し分なく、カシムはヨルダン戦で奪った決勝点が物語るように、機を見た攻め上がりで攻撃にアクセントをつける。
 
 守備の局面では、1トップのマフムードを残して全員がボールより後ろで整然としたプレスの網を敷き、奪いどころでは激しく相手に身体を寄せていく。これを統率する重鎮のCBサラム・シャキル(14番)は空中戦にも強く、単純なクロスでは攻略できないだろう。
 
 アーメド・ヤシーン(9番)やジャスティン・アジーズ(8番)という優れたジョーカーも揃える「ライオンズ(イラク代表の愛称)」は、王者・日本を「リスペクトしすぎることなく」(カシム)、普段通りのプレーをするまでと、自信をのぞかせる。
 
 勝者が早々に8強進出を決める可能性もあるブリスベンでのグループD第2戦は、日本にとって最初の正念場だ。
 
文:井川洋一