「性的虐待の時効は大人になるまで停止して!」―法改正求めるネット署名目標まであとわずか

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幼少時、未成年時に『性的虐待』を受けた被害者が、大人(20歳)になるまで「時効を止める」法改正を求めたネット署名が1月15日まで行われている。

読売新聞12月30日報道によると、この署名の目標は1万人としているが、ネット署名のサイトでは8,000人と低く設定されており、記事執筆時点においての署名数は5,117人、2,383人足りない状況になっている。

【追記】署名締切日が延期されました。変更後の締切は、実際の署名サイトで確認してください。URL等情報は記事最下部に掲載しています。

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■20年という時効の壁―無謀とも思われる壁に立ち向かった弁護士の英断

この署名は『性的虐待』の被害者を支援する弁護士らが行っているもの。

弁護士らは、幼い頃に親族の男性から『性的虐待』受けた、40代女性の裁判で、通常であれば難しいとされる『除斥期間』(時効)の壁に立ち向かっている。

女性は3歳から8歳(1978年〜83年)に性的虐待を受けていた。後にPTSDの症状が出るようになり、30代でうつ病も発症。
最後の姦淫行為から20年以上を経過していたものの2011年4月、釧路地裁に親族の男性を相手取り、慰謝料や治療費を求める訴えを起こした。

二審から弁護士団に加わった寺町東子氏のブログによると、一審を担当した女性弁護士は、20年という除斥期間(時効)の壁を突破することがどれほど困難か充分に理解しつつも、20年以上たっても訴えを起こそうと決意した女性の意を汲み、受任・提訴に踏み切ったという。

そして行われた一審・釧路地裁の判決は、男性による性的虐待を認め、いずれの症状についても因果関係を認めたものの、「損害賠償請求の除斥期間(20年)を経過している」と退けた。

二審・札幌高裁は東京・札幌からの弁護団が加わり、判決では30代で発症した「うつ病の起算点が2006年9月頃である」とし、「除斥期間は経過していない」と判断され、男性には3,000万円の支払いが命じられた。

しかし男性側はこれを不服として、最高裁に上告している。

■闇に葬られる被害者達

上記の例では、「うつ病の起算点が2006年9月頃である」とされ、起算点をずらす形で二審は勝訴となっている。
しかし、こういったケースで無い限りは、類似の幼少時、未成年時に受けた性的虐待の後遺症で苦しみ続ける被害者らを一様に救うことはできないという。

性的虐待は被害にあった時期が幼ければ幼いほど、被害者が被害を認識するのが遅れがちとなる。
また性的虐待は、加害者が身内であるケースも多く、被害を認識していたとしても、訴える決断まで時間がかかるケースも少なくない。
そうした場合に現在立ちふさがっているのが、最後の被害を起算点にした除斥期間(時効)の壁だ。

海外では、幼い頃性的虐待を受けた被害者らが大人になって訴えることを想定し、刑事事件の時効を20歳までや、21歳まで停止する措置をとっているところもある。

こうした事態をうけ、今回弁護士らは法改正を求め署名活動を行っている。

■正義とは?

弁護士の寺町東子氏は、署名活動を行うサイトにこんなことを記している。とても印象に残る内容なので、そのまま紹介したい。

<引用ここから>
性的行為の意味もわからない幼い子どもに性的虐待を加えた加害者が、時効・除斥期間によって守られることは正義でしょうか?

性的虐待を受けた子どもが、親からも、誰からも守られることなく過ごした期間に、時効・除斥期間が進行することは正義でしょうか?

少なくとも、被害を受けた子どもが成人するまで、時効・除斥期間の進行を停止するのが、最低限の公平ではないでしょうか?
<引用ここまで>

■署名サイトの情報・要望書内容

今回集めた署名は、幼少時、未成年時に性的虐待を受けた被害者に対する、刑事事件の公訴時効及び民法724条の時効・除斥期間の起算点を成人時(20歳)まで停止する趣旨を含んだ要望書とともに、1月中にも内閣総理大臣 安倍晋三氏、厚生労働大臣 塩崎恭久氏、法務大臣 上川陽子氏に届けられるそうだ。 

署名サイトの情報は以下の通りとなっている。

▼署名サイト
http://goo.gl/ayz9eJ
※実際のURLが長いのでGoogleの短縮URLを使用しています。リンク先は『change.org』のキャンペーンページになります。