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仕事に直結する「専門性」というものを、どうやって長期的に自分のキャリアに結びつけていくか考えてみたい。

大きく分けて3つの考え方があると思う。

(1)誰にも負けない専門分野を1つ持つ

私は何よりもこれが1番良いと思っている。あえて話を分かりやすくするために例を挙げたい。例えば野球選手。「野球」という分野で専門性を高める。その分野でトップクラスの実力を持つに至る。これ以上の 「キャリア」はない。仮に現役を引退したとする。多くの場合「野球」という分野で、コーチや解説者として第二の活躍の場が与えられるだろう。重要なのは、自身が「トップクラス」であるか。そして、「野球」という分野に十分なビジネス規模(多数の人が生活していける)があるかどうかだ。

(2)マネジメント(ジェネラリスト)に徹する

前述の(1)と同じくらい重要な視点だ。「専門家」だけでは社会は回っていかない。経営やプロジェクトの目標を定める。各専門家や各セクションの全体を見回す。時に人的リソースを集める。時間や予算配分を最適化する。これらを単に「調整役」とは思わない。 こうしたリーダー層の役割は、今後ますます重要になる。言い換えれば「マネジメント(リーダー職)」のプロフェッショナルともいえる。

もっとも、(1)(2)については、古くからよく言われているだ。あえてここで補足は加えない。そして、きょうは、以下の3つ目に注目したい。

(3)複数の「専門性」を持つ。マネジメントが(も)できる

これも特に新しい視点ではない。(1)(2)と同じく古くからよく言われることだ。いわゆる「かけ算」の発想である 。

「◯◯」×「◯◯」

2つの専門性を掛け合わせる。例えば

※法律実務を専門とする。

※技術に詳しい。

この2つを掛け合わせると「専門性」は、さらに高まる。

「法律に詳しい」だけでは、他に何万人も類似の専門性を持つ人はいる。「トップクラス」を目指すことはできるが簡単ではない。しかし、「法律」に「技術に詳しい」が加われば、両分野に秀でた人は極端に少なくなる。できれば、 さらにもう1つ「専門性」を加えたい。例えば流暢な外国語。こうした人材はさらに希少となるだろう。専門性を活かしつつ、リーダー(マネジメント)として活躍できる 機会が(も)増える。

最近はこうした選択をする人も増えてきた。ポイントは「◯◯」×「◯◯」の次にくる3つ目の「◯◯」だと私は思う。そして、最初の2つはあまりかけ離れていない方がいいが、3つめの「◯◯」は、前2つとは少し切り口が異なる方が良いと思う。仮に3つとも分野が近いと、外への広がりが狭くなり過ぎるからだ。

マーケティング業界で例える。

「PR」が得意な人は大勢いる。「広告」を専門とする人も多く世の中にはいる。では、この両方に秀でた人となると、これは意外と少なくなる。

あるいは「インターネット」に詳しい人は多い。「マスメディア」に強いプランナーなども比較的多い。では、ネットとマスメディアの両方に精通する若手プランナーとなると、急に層が薄くなる。

もっとも、世間一般的には「PR」も「広告」も、大した違いはない。「インターネット」と「マスメディア」にもそれほど違いはないものと思われるだろう。どちらも広義の「コミュニケーション」「マーケティング」であり、限られた業界でもある。この2つだけだと、「業界」を離れてしまうと使えない「専門性」になってしまうこともある。

ここに3つ目の少し異なる視点が加わると面白い。

例えば…

「広報」×「広告」×「データベース」

となると、「デジタル」「IT」の世界にも自分の「専門性」の可能性は見い出せる。

「広報」×「広告」×「芸能」

であれば、「エンタメ業界」に広がっていくかもしれない。

他にも…

「インターネット」×「マスメディア」×「地域経済」という視点や、

「インターネット」×「マスメディア」×「学校教育」という切り口も、また魅力的だ。最初の2つだけとは異なる世界での可能性を秘めている。

この時期には多くの社会人や学生の方々など、何らかの「選択」をすることも多い。「選択」するということは、言い換えれば「捨てる」ことでもある。「集中する」ということでもある。

可能性(組み合わせ)は無限にある。まずは色々と自分の頭で考えてみるのも面白い。

<著者プロフィール>片岡英彦1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。