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岡山大学は1月15日、岡山県南部と香川県島嶼部に固有なカタツムリの新種を認識し「アキラマイマイ」と命名したと発表した。

同成果は同大学大学院環境生命科学研究科(農)の福田宏 准教授、国立科学博物館の亀田勇一 支援研究員の共同研究グループによるもので、同日付で日本貝類学会が発行する「Venus」に掲載される。

「アキラマイマイ」は市街地周辺に多産するにも関わらず、西日本に広く分布する「シメクチマイマイ」と混同されていたため、これまで見過ごされてきた。「シメクチマイマイ」には多くの地理的変異が存在し、分類の混乱が以前から指摘されていた。そこで、同研究グループが"本物の"「シメクチマイマイ」を定義するために岡山県周辺の個体を調査したところ、予想外に2つの種の混在が判明した。

「シメクチマイマイ」と「アキラマイマイ」はともに殻系13〜22mm程度で、形・色・大きさなどで明確に識別することは難しく、生殖器の解剖とDNAの塩基配列を用いた系統解析によって識別することができた。

「アキラマイマイ」という名前は、その存在を最初に指摘した香川県在住のアマチュア研究家 多田昭氏に由来する。同氏は長年各地でカタツムリの採集と解剖を地道に続けて、早くから「シメクチマイマイ」に複数種が混在していることを独自に突き止めており、福田准教授らによって多田氏の見解が正しかったことが証明されたかたちとなった。

また、「アキラマイマイ」がヒトによる干拓以前は離島であった場所、「シメクチマイマイ」がもともと陸地であった場所に主に分布していることも判明。その分布様式からこの地方の自然環境の特性とその歴史的変遷を知ることができるという。

近年、両種とも棲息地が狭められており、特に「アキラマイマイ」は狭い範囲の固有種であるため、環境省レッドデータブック2014に掲載された他のカタツムリとのバランスを考慮すると「絶滅危惧II類(VU)」に相当すると考えられ、福田准教授らは保全措置の必要性を訴えている。