イラクと対戦経験豊富な植田の指摘をヒントに、連続無失点を狙う吉田&森重

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 12日のパレスチナ戦後、ニューカッスルから16日に行われる第2戦の地・ブリスベンへ移動してきた日本代表。2015年アジアカップ(オーストラリア)2連覇達成に向けて、イラクは最初に突破しなければならない強敵。2007年東南アジア4カ国共催大会でMVPに輝いたFWユニス・マフムード(アル・アハリ)を筆頭に、強烈な個の力を誇るチームだ。

 日本としてはパレスチナ戦のような停滞感の強い内容で戦っていたら痛い目に遭う可能性も少なくない。「初戦勝利は忘れて、気持ちを切り替えるべき」とベテラン・遠藤保仁(ガンバ大阪)も語っていたように、ここで一気にギアを上げていくことが、2連勝と準々決勝進出確定の大きなカギと言えるだろう。

 その日本代表だが、14日は夕方18時過ぎからブリスベン市内のグラウンドで約1時間半の非公開練習を行った。この日の現地は梅雨時のようなどんよりした気候。湿度が高く、練習開始前後には強い雨にも見舞われた。強風に悩まされながらも爽やかな気象条件だったニューカッスルとは異なり、湿気とどう向き合うかが1つのポイントになりそうだ。

 イラクと言えば、U−22世代にとっての因縁の相手。2012年AFC・U−19選手権(UAE)、2014年1月のAFC・U−22アジアカップ(オマーン)、そして同年9月のアジア大会(仁川)で日本はイラクの前に敗れ去っている。その全ての大会に参戦した植田直通(鹿島アントラーズ)は「イラクの選手は1つ1つ何かしらうまいものを持っている。個が強い選手が多い。前への勢いもすごくあるんで、先に点を取られたら乗せてしまう。自分たちもそれでやられたので、最初の1点をしっかり先に取ることを大事にして、無失点で行ければいい」と日本の注意点を具体的に挙げていた。

 チーム最年少の植田が持つ情報を、先輩センターバックである吉田麻也(サウサンプトン)と森重真人(FC東京)は有効活用していくべきだろう。

「イラクのこの前の試合(ヨルダン戦)はまだハイライトしか見ていない。でも基本的にやることはパレスチナ戦と変わらない。僕らが多くボールを保持して、より多くの得点パターンから得点を重ねて、守備ではリスクマネージメントを徹底すること。監督も言ってるようにクロスやセットプレーから何度か危ない場面もありましたし、そういう微調整はもちろんしつつ、次の試合でグループリーグ突破を決めたいなと思います」と吉田が言えば、森重も「僕はまだ映像を見ていないけど、ボール保持する時間が長ければ長いほど、前に何となく行ってしまうことがある。90分間通して後ろはバランスを見ながら、人を揃えながらやることが大事かなと。あとは声を掛け合いながら、この前の試合の修正点を話せばいい。後ろがゼロって言うのはまず最低限。優勝に近づくためにも、そういう仕事をDFはしっかりやっていければいいかなと思います」と無失点を継続することの重要性を改めて口にした。

 ハビエル・アギーレ監督は非公開練習でクロスからのシュートなど攻撃面のトレーニングに多くの時間を割いた模様だが、アジアでは引いた相手を崩しきれずに苦しむことは大いにあり得る。そこで守備陣が安定感を持って対処できていれば、チームは絶対に崩れない。ユニス・マフムードら決定力の高い相手を確実に封じ込めることこそ、吉田らの重要な責務といえる。

文=元川悦子