ヤン・シュヴァンクマイエル作品を一挙公開、ダーク×ファンタジー×ブラックユーモアな映画祭

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東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、「シュヴァンクマイエル映画祭2015」が2月下旬に開催される。

チェコ出身のヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Svankmajer)は、シュルレアリズムを代表する映画監督の1人。プラハの芸術アカデミー演劇学部を卒業し、60年代に短編映画を製作している。その作風は社会主義、全体主義、商業中心主義といった現実に抵抗したシュヴァンクマイエルの思想を色濃く映し出していた。このため、チェコが共産党による独裁政権下に入ると、一時は映画の製作を禁じられるが、79年に『オトラントの城』を完成させると活動を再開。数々の長編映画を製作し、カンヌやベルリンなどの映画祭で高い評価を受けている。

映画祭ではシュヴァンクマイエルを代表する長編映画3本が公開される。初の長編映画となった『アリス』は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』が原作。実写とコマ撮りを組み合わせて、アリスの人形、白ウサギの剥製、気遣い帽子屋の人形など、様々なオブジェをユーモラスかつグロテスクに映し出した。ベルリン国際映画祭でアンジェイ・ワイダ賞を受賞した『オテサーネク』は、子宝に恵まれなかった夫婦が人形を子供として育てていくダークファンタジー。『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』では夢と現実が錯綜するラブ・サスペンスを、膨大な画像のコラージュと実写の組み合わせでスリリングに描いている。

これに、22本の短編を合わせたシュヴァンクマイエル作品が、映画館で一挙公開される。77年にシュヴァンクマイエル自らが人形と美術を担当した、舞台『魔法のサーカス』も今回特別に公開されることになった。

映画祭の開催にあたり、シュヴァンクマイエルは「これらの映画は想像的なものであり、またこの幻術的な想像力は常に転覆的です。何故なら想像力は、実在(リアル)であることより可能であることを優先するからです。ご覧いただく映画祭のために選定した映画は、私の創作において想像の上位的な地位を示しているものです。何故なら、私は常に、フランスの偉大な詩人シャルル・ボードレールのように、想像力を人間の諸能力の女王と見なしていますから」とコメントしている。

なお、シアター・イメージフォーラムでの公開終了後は、4月から6月にかけて神戸アートビレッジセンター、京都みなみ会館、大阪のシネ・ヌーヴォ、名古屋シネマテーク、札幌のシアターキノなどで順次作品が公開される予定。

【イベント情報】
シュヴァンクマイエル映画祭2015
会場:シアター・イメージフォーラム
住所:東京都渋谷区渋谷2-10-2
会期:2月下旬
料金:一般1,500円 大学生・専門学生・シニア1,200円 高校生1,100円