iPad、Androidタブの牙城を崩せるか?スマホ大型化の影響で今年は低価格Windowsタブが躍進する!

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ここ数年、タブレットと言えば、Appleの「iPad」シリーズか、GoogleのAndroidタブレットを表すのが当たり前だった。しかしながら、今年はその傾向が、かなり変わるかもしれない。
ここに来て、格安化したWindowsタブレットが伸びそうな雰囲気がでてきた。


●日本のタブシェアは圧倒的に2強状態
ここで、日本でのタブレットシェアを見てみよう。
2014年11月、MM総研が2014年上期(4月〜9月)の国内タブレット出荷状況シェアを発表した。
・Android 47.9%
・iOS(iPad) 43.3%
・その他 8.8%
となっている。
その他の中には、WindowsタブレットやAmazonのKindleも入っている。そう、9割以上がiPadかAndroidタブなのだ。それでは、このままこの状況が続くかと言えば、そうではなそうだ。

●低価格Windowsタブが躍進する秘密は、大型化するスマホにあった
2015年はタブレットの出荷状況が鈍化すると言われている。
その理由は、5インチ以上の大型スマホ「ファブレット」の台頭である。

iPhone 6 Plusや、Xperia Z3のように大型スマホに人気が集まっている中、同じようなOSを搭載するiPadやAndroidタブを持ち、わざわざ2台持ちする必要がなくなってきているのだ。

つまり、多くの人にとって、大画面のスマホがひとつあれば、同じ機能のタブレットは不必要ということになる。
しかしながら、これがWindowsタブレットではどうだろう。

高性能なスマホといっても、厳密にはWindowsパソコンの代わりをさせることは未だにできていない
また日本ではWindows Phoneは普及していないので機能もかぶらない。さらに、ここにきてWindowsタブレットがAndroidタブレットなみの低価格化が進んでいるのだ。

ビックカメラが昨年末に発売した「インテル はいってる タブレット2 Si02BF」は、Officeこそ入っていないものの、8インチフルHD液晶を搭載した正規のWindows8.1タブレットがなんと19,800円(税別)かつ、ポイントが10%付くという破格のものだった。
そう、1万円台でWindowsタブレット(パソコン)が買える時代になってきたのだ。

ファブレットを持っているから、タブレットは要らないかなという人でも、1万円台、2万円台前半でWindowsタブレット(パソコン)が買えるのであれば、サブパソコンとして買うのも十分にアリだろう。

●今後の課題はストアアプリの充実
しかしながら、低価格Windowsタブレットに課題が無いわけではない。
まず、専用のストアアプリが圧倒的に少ない点だ。iPadやAndroidと比較しても、探しにくい上に量が少ないのはいただけない。
また、過去のWindows向けソフトが使えるのだが、8インチ画面ではタッチ操作がしにくい。
つまり、Windowsタブレットは、パソコンの延長としてマウスやキーボードをつなげて使うのであれば実用性は高いが、タブレットとしてストアアプリやタッチ操作を前提として使うには、iPadやAndroidタブレットのほうが使いやすいという面があるのだ。

しかしながら、多少の”難”を考慮しても、正規のWindowsが格安で持ち運びしても使えるタブレットには魅力を感じる。マウス、キーボードさえ接続してしまえば、そのままパソコンとして使うこともできるほか、過去のWindowsパソコン向け資産をそのまま利用できるため、本当の意味でパソコンと同じことができるからだ。さらにビジネス用途としても使うことができる。

今年はファブレットが普及し、既存のiPadやAndroidタブは鈍化するだろう。
そこに、低価格なWindowsタブレットが躍進する可能性があるのは間違いないだろう。

2014年度上期国内タブレット端末出荷概況|MM総研


布施 繁樹