高い技術と戦術眼でゲームメイクした遠藤。その健在ぶりを韓国メディアも高く評価した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 韓国メディアが注目していたのは、アギーレ監督の八百長疑惑に揺れる日本が初戦でどんな姿を見せるか、だった。「アジアカップ最後のベール、日本はどれだけ強いか?」と、見出しをつけたネットメディアの『MKスポーツ』も、「日本はアギーレ監督の八百長疑惑で、内部の雰囲気が崩壊していないかが懸念される」と報じていた。
 
 だが、終わってみれば4-0で大勝。「日本、パレスチナ相手に火力ショー、4ゴールの爆発」(『朝鮮日報』)、「8分で先制点、レベルが違った日本」(『FOOTBALLIST』)「捕まえるべきチームをしっかり捕まえた日本、ディフェンディグチャンピオンらしかった」(サッカー専門メディア『インターフットボール』)などと報じられ、総合ニュースサイト『スターニュース』は、「揺れることのない日本サッカー、“三匹のウサギ”をすべて捕まえた」と褒め称えた(“三匹のウサギ”とは、結果、試合内容、チームの雰囲気を指す)。
 
 選手個々にもスポットが当てられている。例えば『FOOTBALLIST』は、「“復活の賛歌”を始めた香川真司」と題し、「パーフェクトではなかったが、フル出場し静かに復活へと歩み出した」と見解を述べている。総合スポーツサイトの『エクスポーツニュース24』は「58分間、日本を操縦した遠藤の方向キー」と題して、「ベテランだが、ピッチ全体を俯瞰したパスさばきと試合の流れを読み取る能力は以前と変わらない。58分間見せたそのプレーは効果的だった」とし、「遠藤が抜けた途端、中盤でのパス回しが滞った。すでに点差がついていたため勝負に影響はなかったが、その存在価値を改めて感じさせた」と報じた。
 
 また、解説者でもあるサッカージャーナリストのハン・ジュン氏は、『FOOTBALLIST』に寄稿したコラム内で、岡崎慎司が決めたゴールを「アジアカップ開幕後に生まれたなかで、もっとも釘付けにさせられた得点だった」と高く評価している。「岡崎のゴールは最終ラインから7人がパスをつないで奪ったもので、日本の長所がよく表われた場面」と見ており、「7人のサムライ、寿司タカゴールを合作」と題している。
 
 ちなみに寿司タカとは、日本のパスサッカーが鋭い刀で刺身を裁くように敵陣を切り裂くという意味を込めて、バルセロナの“ティキタカ”を文字り作られた造語。韓国メディアや一部のサポーターたちの間で使われるこの造語が、今後も韓国で頻繁に使われることになりそうだ。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)
 
【アジアカップphoto】日本 4-0 パレスチナ