ファミレス各社が主力商品に据えているのが、ハンバーグやステーキといった肉料理。それだけに、お店の本来の実力がわかりやすく表れている。

一体、どこで見分ければ「行ってはいけないファミレス」がわかるのか。フードビジネスコンサルタントの田川耕氏、食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏のふたりに低価格がウリの都内のファミレスA店で覆面調査をしてもらった。

 * * *

ふたりが注文したのは「和風ハンバーグ」と「ステーキ」。

―うまそうですね!

田川「パッと見はね。でも、よく見ると焦げ目が肉本来のモノではありません。ホットケーキのようにパサパサと乾燥したようなお焦げです。とりあえずナイフを入れてみてください」

―(ハンバーグを半分に切りながら)今度はなんですか!?

田川「肉汁が出ないでしょう?」

―言われてみると確かに。

田川「肉に“植タン”がたくさん混ざっているからですよ」

―ショクタン?

田川「植タンとは、大豆などを原料にたんぱく質を抽出した植物性タンパクの略称で、形状は粉末、粒など様々。ハンバーグの表面に見える焦げは、その植タンが焦げたものですよ」

―でも味は全然うまいですよ!? 値段の割にデカいし。

河岸「植タンは、肉をカサ増しするために工場内でひき肉に大量に注入されます。すると肉がブクッと膨れるんですね。ただ、植タンを入れれば入れるほど味は薄まり、色が白っぽくなるので、着色料で肉の色に近づけ、味は肉エキスなどの添加物でしっかり補強します。さらにバレないように、サラダ同様、ソースは濃いめに調味されます」

―それ、偽装じゃないですか。

河岸「この店に限らず、1000円以下の安いハンバーグを出す店では、肉の重量に対して5割ほどの植タンが注入され、サイズを1.5倍に膨らませているケースが多い。それでも植タンに関しては表示義務がありませんので“ハンバーグ”としてメニューに載ることになります」―“偽ハンバーグ”の見分け方はあるんですか?

河岸「ナイフを入れて肉汁がジュワッと出たら本物、出なければ偽物です。ちなみに『ロイヤルホスト』の『黒×黒ハンバーグ』は植タンが入っていないので、肉本来の味が楽しめますね」

―なるほど。次はステーキにいきますか。カットしますね。

河岸「これは一枚肉ではなく、加工段階で出るクズ肉を結着剤で強引にくっつけて固めた成型肉ですね。そこに植タンを注入して軟らかくしています」

―マジですか。成型肉っていうのは見分けがつくんですか?

河岸「ナイフで切った際の肉の断面で判別できます。成型肉は、明らかに繊維と繊維が不自然なくっつき方をしています。繊維の向きが同じ方向を向いていれば一枚肉、繊維の向きがバラバラなら成型肉と思って間違いありません。

また、成型肉はお箸でも切ることができます。切れるというより、繊維の結着面がボロッとはがれる感じですね」

―話がショッキングすぎてのどが渇いてきたんで、ドリンクバーでコーラ注いできます…って、このコーラ、炭酸薄っ!

田川「ドリンクのサーバーは、メーカーの指導の下で、季節ごとに炭酸の量を微調整するなどマメに管理しなければなりませんが、コーラがグラスに注がれているときの音が明らかにおかしかったですよ(笑)。店員が常時忙しそうなのでそこまで気が回らないのでしょう」

―ドリンクバーひとつとっても、ファミレスの良しあしが出るというわけですね。

田川「その点でいうなら、『ココス』のドリンクバーはいいですね。例えばコーヒーカップを温めるウオーマーが収納ラックに取りつけられているなど店の意識が高い。また、ドリンクバーだけで長居ができないよう、2時間制が取り入れられていることも特徴。食空間の快適さという点で『ココス』は業界トップクラスでしょう」

お肉だけでなく、ドリンクバーからもファミレスの実力はわかる。こうしたポイントをしっかり抑えて、本当に足を運びたいファミレスを見極めよう!

(取材/興山英雄)

■週刊プレイボーイ3・4号(1月5日発売)「行ってはいけない外食チェーン店を見破る20の方法!」より(本誌では、さらに詳細な見分け方と居酒屋についても徹底検証!)