新年あけましておめでとうございます。本年も、何卒、よろしくお願いします。

 日本の年末年始中の外部環境は残念ながら悪化しました。市場が最も嫌気しているのは、またまた「ギリシャ」です。

ギリシャ不安は25日の選挙結果が出るまで

 ギリシャがユーロ圏から離脱する議論が再燃しています。1月25日実施予定の総選挙では、緊縮路線に反対する野党の急進左派連合が優勢だそうです。ですが、ユーロ圏では、緊急時に資金不足の加盟国を金融面で支える欧州安定メカニズム(ESM)などの安全網が、整備されています。09年末以降のように、欧州全体の債務不安に及ぶ可能性は低いと思います。

 ただし、それをネタに相場を動かしたい売り方は間違いなく存在しているでしょうから、25日の選挙結果が出るまでは、「ギリシャ不安」は相場を揺さぶる「旬な材料」であり続けるでしょう。

原油安で損をするのは産油国だけ

 また、米国株を押し下げているもうひとつの要因が、原油安です。5日のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の2月物は前週末比2.65ドル安の1バレル50.04ドルでした。一時は50ドルを割り込み、49ドル台後半に下落しました。2009年4月29日以来、約5年8カ月ぶりの安値を付けました。これが、米国株式市場のエネルギー関連株売りにつながり主要な株価指数の下押し材料となっています。

 原油安に関しても、それほど心配していません。

 これはサウジアラビアなどの産油国のシェール潰しと、欧米のロシアいじめが主たる背景であり、産油国と欧米先進国の思惑が一致した当然の帰結と認識しています。

 なんにせよ、原油安はそれの輸入国である多くの先進国経済にとって、事実上の減税であり、景気や企業業績にとって超ポジティブな材料です。ちなみに、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は1バレル20ドルまで下がっても減産に動かない考えを示しているようです。

 ご存じのとおり、シェールは特に北米で生産が急速に増えている非在来型の石油やガスのことです。産油国は、原油価格を低下させておくことで、シェール開発のインセンティブを低下させる方針なのでしょう。また、ウクライナ危機を受けた欧米の制裁に加え、原油安の加速は資源国、とりわけロシアを経済的に追い詰めています。このような状況を受け、ロシア政府と中央銀行が通貨ルーブルの防衛策と経済対策を相次ぎ打ち出し、ルーブル危機の収束に躍起になっているようです。

 まあ、不安を煽りたい売り方は、事実上のデフォルト状態に陥った1998年の「ロシア危機」を連想させようと様々な材料や見通しを市場に流すかもです。

 しかし、現時点で、ロシア中銀の外貨準備が枯渇する可能性は低いのです。実際、ルーブルの対ドル相場は昨年12月半ばに一時1ドル=78ルーブル台と過去最安値を更新しましたが、その後は持ち直しています。また、12月26日時点の外貨準備高は3885億ドルと、高水準を維持しています。

 そうこう考えると、ギリシャ問題は総選挙の25日で、いったん材料出尽くし。原油安に関しては、最大で1バレル=20ドルくらいまで下がるかもしれないけど、苦しいのは産油国だけで、原油安は多くの先進国にはポジティブ材料なので、問題なしとみておけばよさそうです。

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