創価学会公式サイトより

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 2015年は創価学会創立85周年にあたる節目の年である。創価学会を長年にわたって牽引してきた池田大作名誉会長は1月2日に87歳を迎えた。池田大作名誉会長は創価学会創立80周年前後から人前に立つことは少なくなった。

 与党の一翼を担い、ときに政界再編のキャスティングボードを握る公明党は、創価学会の約830万世帯に支えられている。これまで、公明党と創価学会の不即不離な関係は暗黙の事実でありながら、新聞・テレビではタブー視されて黙殺されてきた。

強大な力を蓄える創価学会

 ところが、近年、そうした事情は変わりつつある。いまや選挙後に公明党代表がテレビで「支持母体の創価学会に感謝する」と謝辞を述べるシーンは当たり前に目にするようになり、池上彰さんが司会を務める番組では、たびたび公明党と創価学会の濃い関係を取り上げている。やろうと思えば、テレビでも創価学会と公明党の関係性を追求できるのだ。

 創価学会タブーが緩和されている一方で、創価学会・公明党は無視できないほどの力を着々と蓄え始めている。先の衆院選では自民党が議席を微減させたのに対して、公明党は4増やして35議席を獲得。

 議席の数では圧倒的多数の自民党も創価学会の票を頼みにしているのが現実だ。自民党は創価学会票を失えば議席は半減するとも試算しており、自民党は公明党を邪険に扱うことはできない。自民党議員の多くは公明党新聞だけではなく聖教新聞も併読して、公明党・創価学会のつなぎとめに必死だ。

 仮にアベノミクスの勢いに乗って自民党が衆参で3分の2議席を獲得しても、自民党が公明党を切ることは難しい。なぜなら、地方議会の自民党は公明党依存体質が国政よりも強い。公明党と手を切れば、自民党は地方で連戦連敗してしまう。

 創価学会の力は自民党だけにとどまらない。2009年に民主党が政権を奪うと、途端に秋波を送っている。また、橋下徹大阪市長が推進する大阪都構想に公明党は強硬に反対したことから、橋下市長は「市長を辞任し、公明党の選挙区から出馬する」と息巻いていた。

 大阪では、いまだに橋下市長・松井一郎府知事を擁する維新の党の人気は根強いが、公明党・創価学会は“常勝関西”とも呼ぶほど、強固な支持層のあるエリア。結局、公明党議員が立候補した小選挙区に維新の候補者が立てられることはなかった。あれほど目の仇にしていた公明党との全滅対決を避けたのは、公明党と橋下市長が大阪都構想をめぐり水面下で手打ちをしたからだ、とも囁かれている。

 このように、自民党のみならず民主党や維新の党にも公明党の影響力は浸透している。

 政界だけではない。創価学会は財界でも年を追うごとに存在感を増している。創価学会の現金資産は10兆円を軽く超えるといわれており、有価証券や不動産を含めれば、世界ナンバーワン企業のトヨタだって足元に及ばない。

 永田町関係者はこう話す。

「先の衆院選でJTBが公明党に投票するよう社内文書で呼びかけていたことが『週刊ポスト』のスクープで明らかになりましたが、あれは序の口です。公明党は国土交通大臣ポストをずっと握っていますから建設業・不動産業者も頭が上がらないし、創価学会の膨大な資産を前に大手銀行も言うことを聞かざるを得ない」

 先の衆院選で公明党・山口那津男代表は消費税10%への対策として、盛んに軽減税率の導入を訴えた。軽減税率は生活必需品の消費税を低く設定するというもの。一見すると庶民救済策と思われがちだが、コメやパンはOKでソバはNGといったように品目ごとに税率を決めるので、「わが品目には軽減税率をお願いします」と業界団体が動き出すことは目に見えている。

 軽減税率の導入は業界団体との癒着を深め、公明党はその利権をも手にする。1月2日、山口那津男代表は新年早々から街頭に立ち、軽減税率を秋口には法整備の実現を進めると演説。もはや、業界団体の生殺与奪の権利は公明党・創価学会が握っていると言っても過言ではない。

 マスコミは消費税増税を煽りながらも、新聞は軽減税率を適用すべきだとご都合主義を振りかざした。新聞に軽減税率が適用されるかどうかは公明党が鍵を握っているのだから、マスコミも掌中に収めたことになる。

 今年、創価大学は箱根駅伝の初出場を果たした。順位こそ奮わなかったが、聖教新聞では「新たな歴史を開いた」と健闘を称えている。公明党のみならず創価大学の存在感も増しつつある。創価学会は単なる宗教団体とは言えない。

 しかし、Xデーは確実に近づいている。後継者レースも含め、政財界は池田名誉会長の一挙手一投足から目が離せない。

(文/小川裕夫)