マンチーニ監督の到来以降、自身の調子も上向いてきた長友。それだけに、アジアカップ出場については「ここで(インテルを)離れるのは残念」と正直な気持ちも語っていた。 (C) Getty Images

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 アジアカップの開幕を目前に控え、日本代表は最終調整に余念がない。ディフェンディングチャンピオンとして、最長で1月31日まで続く長丁場の戦いをいかに戦い抜くのか、結果も含めて興味深い。
 
 さて今回招集されたメンバーのうち、9選手が欧州のクラブに在籍している。内訳はドイツが5人、イタリアが2人、イングランドとベルギーが1人ずつだ。そして言うまでもなく、欧州の大部分のリーグは現在、シーズン中である。
 
 ドイツ・ブンデスリーガの場合、1か月にわたるウインターブレークがあり、下記の通りリーグの再開は1月末。日本が決勝に進出した場合でも、最大で2試合に欠場するだけで済む(怪我等がなければ、だが)。つまり、このアジアカップ出場によって、クラブ内での各選手の立場が一気に変わることはないと思われる。
 
 ドルトムントでチームとともに苦しんでいる香川真司の場合、リフレッシュのためにもチームを離れるのは良いことだという意見もある。簡単ではないが、アジアカップで本来のプレーを取り戻すことができれば、大会後にはドルトムントでも救世主となれるかもしれない。
 
 一方、イタリア・セリエA、イングランド・プレミアリーグ、ベルギー・ジュピラーリーグはドイツのような長期中断はない。ゆえに日本代表の勝ち上がり次第によっては、最大で5試合、さらに国内カップ戦においても、選手は欠場を強いられる。
 
 これは当然ながら、選手にとってそのクラブでの立場が悪化する可能性があることを意味する。スタンダールの川島永嗣のようにヨハン・テュラムに定位置を奪われた選手だと、今後ますます挽回するのは難しくなるだろうし、本田圭佑(ミラン)や長友佑都(インテル)という主力選手の場合は、この離脱中に他の選手に取って代わられるリスクと不安があるのは間違いない。
 
 もっとも、1月6日に行なわれたセリエAで、ミランはアレッシオ・チェルチというウイングを獲得して今年初の試合に臨んだものの、序盤を除けば攻撃は全く機能せず、もしこのままリーグが進行するのであれば、中盤と前線をリンクする役割をこなせる本田は、大会後すぐにでもスタメンに復帰できるだろう。
 
 一方のインテルは、首位ユベントスと内容のあるドローゲームを演じて調子が上がっていることをうかがわせたが、このことが即、長友のピンチにはつながるということはないだろう。それだけ、ロベルト・マンチーニ監督の長友に対する信頼が厚いからだ。
 プレミアリーグに目を向けると、サウサンプトンの吉田麻也はなかなか出番に恵まれなかったが、このところはようやくピッチに立てるようになってきた。しかも、そこで及第点以上のプレーをして評価が上がってきただけに、ここでチームを離脱するのは正直な話、クラブにとっても吉田自身にとっても非常に痛いだろう。
 
 とはいえ、すでに日本代表に合流している以上、選手にできるのはまず、怪我をしないこと。4年前は香川が足の骨折で残りのシーズンを棒に振ったが、クラブにとっても本人にとってもそれだけは避けたいところだ。
 
 そして、アジアカップで“個人として”結果を残すことも大事だ。代表チームで自身の価値を示すことで、クラブでの立場を少しでも有利にできるだろうし、また川島のように所属クラブからの放出も噂されている状況であるなら、少しでも良い条件で新天地を求められるよう準備しておくことも大事である。
 
 アジアカップは1月9日から開幕する。約3週間の大会期間中に、各選手たちのクラブにおける立場はどのように変動していくのか。日本代表の勝ち進みと併せて、こちらも注目していきたい。