ウォンバットに癒された本田圭佑…本番モードに切り替えて勝利だけに集中へ

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 1月3日からオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のセスノックでアジアカップ2015の本番に向け、調整していた日本代表が8日の練習後、事前合宿を打ち上げた。

 連日、刺すような日差しの中で行われた練習だが、8日の暑さは最高潮。遅れて合流した吉田麻也(サウサンプトン)が練習後の取材を「勘弁してくださいよ」と逃げ腰になるくらい、強烈な太陽光線が照りつけた。

 そんな中、10時半の練習開始時にはセスノック市の歓迎セレモニーが行われ、アボリジニーの長老がデザインしたブーメランが全員にプレゼントされ、オーストラリアに生息するコアラ、カンガルー、ウォンバットを交えての記念撮影も行われた。ウォンバットを渡された本田圭佑(ミラン)が満面の笑みを浮かべて優勝カップのように高々と掲げる場面もあって、会場は大いに盛り上がった。

 その後2時間近いトレーニングが行われ、基本布陣の[4−3−3]を意識した攻撃練習やクロスからの得点パターンの確認、7対7+GKといった流れで進んだ。ゲームでは本田と岡崎慎司(マインツ)、香川真司(ドルトムント)のザックジャパン時代の得点源トリオにゴールは生まれなかったが、3人とも動きは悪くなかった。本番に向けて得点感覚をさらに引き上げてくれるはずだ。

 ウォンバットとの触れ合いからスタートしたことでご機嫌な様子だった本田も、4日後に迫ったアジアカップ本番の話になると、瞬く間に本気モードに戻った。

「あれで盛り上がって試合に勝てれば、そんなにラクなことはないですよね(苦笑)。本題に戻ると、しっかりサッカーのところに集中して、それぞれのポジションでやるべきこと、向上しないといけないことに目を向けて、やらないといけないと思います」

「(セスノックの合宿が終わったが?)まあまあじゃないですかね。手ごたえもありますし、満足できない部分もありますけど、それは今に始まったことでもないし、全てが解決するなんてありえない。精神状態として全ていいバランスで進めていけたらいいなと。ただ、危機感はもっと持たないといけないのかなっていうのは感じてます」と、明るくリラックスした雰囲気の漂うチームにあえて苦言を呈していた。

 それも2011年カタール大会でアジアを制する厳しさを身を持って経験しているからに他ならない。4日のオークランド・シティとの練習試合の後にも、自分の動き出したタイミングでなかなかボールが来ないという連携面の課題を口にしていた。そのあたりを短期間で修正していかなければ、中東勢ばかりの1次リーグを潜り抜けるのは難しい。

「まだ時間があるんで、別に今、100である必要はないんで。この後の3日の練習と試合を重ねていくうちに、最高のところまで上げていくってのがもちろん理想ですよね。もちろん初戦から状態が上がってって、それを維持できれば理想ですけど、やはり人間の体って言うのはそういう仕組みにはできてない。全部で6試合じゃないですか。だから、コメントとしては6試合全部、最高のパフォーマンスを維持し続けるって言うのがもちろん目標です」と本田らしい言い回しでスイッチを切り替えた。

 昨年12月29日の国内合宿スタートから、本田はこれまで以上に自然体でメディアの質問に応えてきた。が、こうした姿勢はしばらく封印だろう。ニューカッスル移動後は普段通り、無言になって大会で勝つことだけに集中するはず。神経を研ぎ澄ませた本田がどう変化していくのかを興味深く見守りたい。

文=元川悦子