4年に一度のアジア杯(オーストラリア)がもうすぐ開幕する。

前回王者の日本代表は、昨年11月末くらいから“ピッチ外の問題”で周囲が騒がしく、正直、選手は試合に集中できる状況ではないと思う。

でも、だからといって、それを言い訳にしてほしくないね。誰が監督であろうと、どんな状況であろうと、ピッチの中でプレーするのは選手。日本代表のユニフォームに袖を通す以上は、使命感を持って100パーセントのプレーをしなければいけない。

不幸中の幸いと言っていいのかどうかわからないけど、メンバーの大半が海外組、それもブラジルW杯組が中心だ。シーズン中でコンディションは悪くないし、長く一緒にプレーしているから連係も問題ないだろう。

だから、ノルマは優勝しかない。昨年は日本サッカーが“総崩れ”だった。ブラジルW杯で大敗したA代表に続き、リオデジャネイロ五輪を目指すU−21代表(以下、いずれも当時)がアジア大会で惨敗。U−19代表はU−20W杯の出場権を逃し、さらにU−16代表もU−17W杯の出場権を逃した。その悪い流れをアジア杯優勝で断ち切ってほしいんだ。

もちろん、それは簡単なことじゃない。メディアもファンも忘れがちだけど、4年前のザックジャパンの優勝だって、紙一重の勝利の連続の末につかんだもの。決して力の差を見せつけての優勝ではなかった。

今回も全チームが“打倒日本”という気持ちで向かってくるはず。王者の日本に対して、まずは守備を固めてカウンターを狙う。当然、球際も激しい。日本は中盤でボールを保持できても、決定的チャンスはなかなかつくれない。そんなジリジリとした展開の試合が続くだろうね。

また、チームの中心となるべき本田と香川の所属クラブでの不調も気になるところ。今季、本田は開幕からゴールを連発していたけど、徐々に存在感が薄くなり、9試合連続無得点で前半戦を終えた。香川はもっと深刻で、復活を期して出戻りしたドルトムントで定位置を奪えていない。そのふたりが大会を通じて、どこまで調子を取り戻せるか。大きなカギを握るだろう。

パレスチナ、イラク、ヨルダンと対戦する予選リーグの突破は問題ない。真価が問われるのは、強いチームと当たる決勝トーナメントに入ってから。韓国、オーストラリア、イランあたりが優勝争いのライバルになるだろう。

韓国とはいつも激しい試合になるし、オーストラリアには地元のファンがついている。そして、イランとは2005年のドイツW杯予選以降、約9年半も対戦していない。どんなチームかわからないだけに不気味だね。

それでも、アジアでは勝って当たり前などというプライドを捨て、ひたむきに体を張ったプレーを続ければ必ず連覇への道は見えてくるはず。

選手個人で期待するのは、やっぱりワントップの岡崎。チームがどんな状況にあっても、常に最前線で奮闘して結果を出してくれる。替えのきかない存在だ。

あとは大舞台ではラッキーボーイの出現も欠かせない。高さのある豊田、昨年から代表に定着した武藤など“非ブラジルW杯組”のブレイクに期待したいところだね。

選手たちは、ぜひ“雑音”を吹き飛ばすようなプレーを見せてほしい。

(構成/渡辺達也)