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電子書店パピレスが運営し、コミックから小説、実用書、雑誌、グラビアと幅広いジャンルの電子書籍を取りそろえている電子貸本サイト「Renta!」。特にコミックは、少年漫画、少女漫画、ティーンズラブ、レディース、青年漫画、4コマ、萌え、サブカル、ボーイズラブなど最も豊富なラインナップを誇っているが、今回は青年漫画の12月の月間ランキングの中から、先ごろ『冬電書2015』としてキャンペーンを実施した講談社の注目作品をピックアップして紹介していこう。

○寄生獣

映画化も話題となっている岩明均「寄生獣」。動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物……ごく普通の高校生・新一(シンイチ)の頭にも寄生を試みようとするが、なぜか失敗、右手に寄生することになる。 右手に寄生し“ミギー”と名付けられた寄生生物と新一との奇妙な同居。それは、互いの命を守るためも人間を食べるほかの寄生生物との戦いの物語である……。 人間社会に潜むさまざまな“仲間”。時に戦い、時に手を組み、普通の高校生・新一が、精神的に強くなっていくところも見所。

「“悪魔”というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思う」「わたしが思うにきみは精神的に強くなったのだよ。人間的にというより生物として」「誰が決める? 人間と……それ以外の生命の目方を誰が決めてくれるんだ?」など、哲学的とも言える名言も多く、作者の想像力豊かなストーリー展開も相まって独特の世界観に引き込まれること請け合いだ。全10巻、全人類に一気読みしてほしい“逸冊”である。

○ピアノの森

森の中に捨てられた、壊れて音の出ないピアノ。その近くに住むただ一人の少年・一ノ瀬海(いちのせかい)が弾く時だけ、そのピアノは音を奏でる……朽ち果てているはずのピアノがキーワードとなる一色まことの「ピアノの森」。

“インバイ”の母と“子供は近づかないほうがいい”地域に住む海(かい)。天才ピアニストだった音楽教師・阿字野(あじの)がアレンジした曲をそっくりそのまま弾いてみせたり、専門家でも困難なわずかなピアノの音の狂いを指摘したり、海は特別な才能を持つことを周囲に知らしめる。 その才能に興味を持つ阿字野、その才能に嫉妬する“親友”雨宮修平。唯一、ものにできなかったショパンの『小犬のワルツ』も克服し、ついに全日本学生ピアノコンクールを目指すこととなる……。

鳴らないはずの森のピアノを中心に巡る、3人のピアニストのストーリー。ピアノに興味がなくとも、ページを進めたくなる著者の手腕に脱帽。聴くものを幸せな気持ちにする海のピアノは、果たしてどうなるのか? 自分の目で確かめてほしい。

○刻刻

堀尾省太の「刻刻」は、時を止める“タイムストップサスペンス”。代々伝わるという「止界術」を使い“世界を止める”ことができる佑河家だが、失業中の28歳・樹里を筆頭に、家では父の貴文(たかふみ)と、兄の翼(つばさ)、じいさんと、三代のダメ男がヒマを持て余している状況だ。

ある日、甥の真(まこと)が翼とともに誘拐されるところから物語は始まる。身の代金を渡す期限に間に合わなくなったとき、じいさんは代々伝わるという「止界術」を使い世界を止めた。すると止まっているはずの世界に何人もの“動く人間”が現れ、佑河家を襲い始める。 そして止まった世界にのみ現れる異形の存在「管理人」……“動く人間”は何を狙っているのか、「管理人」とは何なのか? 時間が止まるという過去にいくつも語られてきたファンタジー。しかしその “動く人間”や「管理人」などが、物語をより複雑に摩訶不思議なものにしている。 次に何が起こるのか、キーマンは誰なのか……気になるポイント満載で、ガンガン読み進めていきたい。

1位は佐藤沙緒理の『おなかにいっぱい、あやかしの種』、2位は新田たつおの『静かなるドン』、4位は佐々木ミノルの『中卒労働者から始める高校生活』などがランクインしている。なお12月の青年漫画ランキングは以下の通り。

(星出智敬)