宇宙空間のロボットを地上から制御する「Haptics-1」実験開始

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国際宇宙ステーションで初めて行われたロボットの「双方向力覚制御」実験を紹介。人間並みに作業ができるロボットが宇宙にあれば、宇宙飛行士が危険な大気圏再突入と帰還のプロセスを経る必要もなくなる。

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宇宙飛行士あるいは地球上にいる人間が、その触覚や力覚を、宇宙空間にある遠隔操作のロボットにまで「拡張」できるようになりそうだ。

米航空宇宙局(NASA)のバリー・ウィルモア宇宙飛行士は2015年1月5日、国際宇宙ステーション(ISS)内で初めて「Haptics-1」の実験を行った。宇宙ロボット工学にとって重要な一歩となるこの実験は、フォースフィードバック機能のあるジョイスティックを使ってコンピューターゲームを行い、無重力状態でロボットの力逆送(force reflection)をシミュレートするという実験だ。

「Haptics-1」ハードウェアは、ESA(欧州宇宙機関)のTelerobotics and Haptics Laboratoryが開発した。基本的には力逆送型のジョイスティックで、その働きは、ヴィデオゲーム用のフォースフィードバック機能付きジョイスティックとほぼ同じだ。つまり、ウィルモア飛行士が操作するレヴァーは、サーヴォモーターに接続されており、このモーターがあらゆる入力に対して抵抗し、操作者が反力として感じる力を発生させる仕組みになっている。

タイピングや靴ヒモを結ぶといった作業を、人間は手探りでもこなすことができる。これは、指先や手に伝わる感触に注意を向けて、無意識のうちに「力のフィードバック」を行っているからだ。研究チームが目指しているのは、宇宙空間にあるロボットでも、この「テクニック」を使えるようにすることだ。

この技術がさらに進歩すれば、何万kmも離れたところにあるロボットを使って、かなり複雑な作業であっても、人間の作業員が手近な物体に対して行うのと同様に実施できるようになる。人間並みに作業ができる器用なロボットを宇宙に置くことによって、活動全体のコストダウンが可能になり、宇宙飛行士が危険な大気圏再突入と帰還のプロセスを経る必要もなくなると、研究者たちは述べている。

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