調整に主眼が置かれていたとはいえ、単純なミスが少なくなく、褒められた内容ではなかった。 (C) Getty Images

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 年末からスタートした国内合宿を経て、日本代表はアジアカップが開催されるオーストラリアに1月3日早朝、到着した。オークランド・シティとの練習試合を戦ったのは、その翌日。会場のセスノックスポーツグラウンドは、猛暑とも思える日中の気温を考えれば、18時のキックオフ時間には幾分過ごしやすく感じられたが、それでも30度近い暑さだった。
 
 メンバーは、GKが川島。最終ラインは長友、森重、塩谷、酒井、中盤は長谷部、遠藤、香川、前線は乾、本田、岡崎。チームに合流したばかりの吉田に代わって塩谷が入り、左のアウトサイドに乾が起用された以外は、不動の顔ぶれが並んだ。
 
 開始2分、遠藤が右サイドの裏を突く好パスを出し、それを本田が中央へ入れる。ゴール正面に走り込んだ香川がシュートを放つが、これはGKがキャッチ。絶好機を逃した。
 
「自分の形だった。決めなくちゃいけない。力が入ってしまった」と香川。この日はその後も数回、ペナルティーエリア内に顏を出し、フィニッシュを試みた香川だったが、実を結ぶことはなかった。
 
 続く4分、塩谷が左の裏へ通したロングパスを受けた長友がクロスを上げ、岡崎が惜しいシュートを放つ。塩谷はその後も、フィードという自分の強みを生かそうとしていた。遠藤へ簡単にパスを入れ、遠藤がさばき、攻撃陣を操るというシーンも面白いようにはまっていた。
 
 しかし、「監督の指示ではなく、自分で出そうと思って蹴った。でも、まだまだ、パスミスも多かった。だんだんパスを出すリズムも悪くなった。たしかに暑さはあったけど、それは言い訳にはできない」と塩谷が語るように、前半20分くらいから日本にミスが目立ちはじめる。
 
 粘り強い守備が光り、クラブワールドカップで3位となったオークランド・シティは、日本の攻撃にも慣れ、守りのリズムが生まれる。そんな相手を崩そうと試みた日本だったが、意思の疎通を欠いたり、パスミスやトラップミスなど単純なミスで、みずから首を絞めてしまった。
 
 長谷部が振り返る。
「センタリングは上げているけど、良いクロスがなかったり、最後の精度に欠けた。僕とDFラインのところで余裕があったので、ゆっくりプレーすることができた。でも、それでテンポが悪くなった。そこでスピードを上げられたら、相手もついてこられないから。ただ、縦パスを入れたらとは思うが、そこでミスをして引っかかるとピンチになるので、そういうところの精度を高めないといけない」
 
 33分、相手のクリアボールを拾った遠藤がミドルシュート。これがDFに当たり、先制点は呆気なく決まった。
 
 後半に入っても、日本は精彩がなかった。終了間際に岡崎のゴールが決まって2-0で勝ったとはいえ、内容はお粗末だった。合宿が始まって約1週間、長距離移動を経ての試合は、フィジカルコンディションの調整に主眼が置かれていた。それを差し引いても、単調さは否めなかった。
 それでも、ピッチの中で選手が言葉を交わす機会は多かった。やろうとしているプレーが成功しなくても、イメージは共有できているのかを確認し、意図をすり合わせていく。そういう作業が活発に行なわれていたことは、本番に向けてポジティブな材料だろう。
 
 本田は「無駄なミスがいくつかあった。それを減らすことで、次のステップへ行けるんじゃないかと思います」と試合を総括し、パスの精度は本番までの1週間で改善できると、そう話した。
 
「もう少しゴール、あるいはビックチャンスを増やしたかったというのが、本音と言えば本音ですけどね。それでも悲観する必要はないと思います。うん。あぁでも満足はしちゃいけないかな。出し手とのコニュニケ―ションが足りていない。それが今日感じたこと。チームで一緒にやる時間は少ないですし、普段の練習からそういうところを要求していきたい」