日本取引所グループが買収される可能性は高い
オリンパス事件をはじめとした経済事件の裏側から、政治・マーケット分析まで、独自の視点で執筆してきた闇株新聞氏。経済記者も購読するそのメルマガには日本経済を読み解くヒントが満載だ。果たして、闇株新聞氏は2015年の日本をどのように見ているのか? 緊急寄稿してもらった。

◆世界的再編に取り残された日証に食指が伸びる?

 円安は外国企業が日本企業を買収する好機となります。その意味で、注目しているのは日本取引所グループ。4〜9月期の中間決算は、営業利益が前年同期比22.5%減、純利益は同14.8%減とさえず、株価は東証の商い急増に伴い、’14年1月の高値を抜いてきたとあった、一見すると魅力のある銘柄ではありません。しかし、世界3位の経済規模を持つ国の独占取引所の時価総額が8300億円では安すぎます。

 世界と比較すると、シカゴ・マーカンタイル取引所は280億ドル(3兆3000億円)、NY証券取引所を傘下に抱えるインターコンチネンタル取引所は248億ドル(2兆9200億円)、香港取引所が253億ドル(2兆9800億円)です。世界的な取引所の業界再編は一段落していますが、唯一取り残された自由主義経済圏の有力取引所として、日本取引所グループが買収対象になる可能性は十分にあるのです。

 もう1つ注目株を挙げるならば、ソーシャル・エコロジー・プロジェクトです。かつては「オメガ・プロジェクト」という社名で映画の版権売買なども行っていましたが、現在は「伊豆シャボテン公園」を中心にしたレジャー施設の運営を手掛けている会社です。

’14年3月期売上高は21億4100万円という会社ですが、11月28日には“国内初”となる「快挙」がありました。現経営陣に不信を募らせる株主が臨時株主総会の招集を要請し、4人の取締役解任議案を可決させたのです。今後、同社の体制はガラッと変わり、良い方向に進んでいくことと予想しています。

 反対に、将来的な株価の下振れリスクが高まっている銘柄も上げておきます。その1つは「ユニクロ」のファーストリテイリング。’14年8月期の連結売上高は前期比21%増、営業利益は同11・8%増と好調そのものですが、海外で生産したものを日本で販売するというビジネスモデルは、長期的な円安がマイナス材料となります。すでに円安が業績悪化に響いている企業には、ワタミやゼンショーがあります。輸入食材の価格が上昇する中で、低価格・多店舗展開を進めてきた企業が軒並み転換期を迎えているのです。

 また海外で稼ぐモデルが確立できているか否かが、長期的な成長性を見るうえで重要な材料となります。その意味でいえば、買収した米スプリントがなかなか浮上しないソフトバンクは要注意かもしれません。

【闇株新聞】
大手証券でトレーディング、私募ファイナンスのアレンジなどを手掛けた某氏が’10年に創刊。オリンパス事件、AIJ投資顧問事件などで、いち早く真相を解き明かして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」を開始した

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