ビルの一室がなんと神社に!

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 2015年はどんな年になるだろう? 占い好きの間で話題のカフェが『占いヒーリングカフェ×神社 神々の森神社』だ。場所は高田馬場駅から歩いて5分ほど。テナントビルの階段を上がり、ドアを開けると、なんと神社! 部屋の中に社殿があり、小さな神社が祀られているのだ。



カウンセラー&占術研究家の北澤礼詞さん

 神社とカフェと占いという、奇妙なコラボレーションのこの店、カウンセラー&占術研究家の北澤礼詞さんが開いた癒しの空間。主に30〜40代の女性が訪れ、北澤さんが神道の思想をベースに独自に作り出した神事占いで悩み事を解決してもらっているのだ。



カフェなので、お茶も飲める。お茶だけなら500円(税込・茶菓子付)。占いを受ける方は無料。

 さっそく来年の運勢を占ってもらった。私は48才、中年男でとてもパッとしない。あまりに芽が出ない息子を心配し、博多に住む老母は有名だという占い師の元に行き、不肖な息子がどうなるのかを聞いてくる。それによるといつも3年後。

「3年後には幕が開くと言われたわよ?」

 電話で母は言うのだが、3年前にも3年後と言われたので、私は「永遠の3年後」という二つ名で仕事しようかしらん? と思っているぐらいだ。では高田馬場の神様はどうなのか?

「最初に西洋占星術や四柱推命など占いやカウンセリングで問題の整理をさせていただいた後に、こちらで作っているカードがありまして、占いをしてご自身の問題をより捉えていただきます」(北澤・以下同)

パッとしない中年男の運勢は?

 そういうわけで、まず生年月日と名前をコンピュータに入れ、西洋占星術で来年の傾向をざっくりと診てもらった。

「生まれた時の星の配置を診ていきます。かなり特徴があるんですよ。星が矢印のように集まって、全体に四角になっているじゃないですか?」

 たしかに長方形の形に星が集まっている。

「自己矛盾を抱えやすいところがあるなというのがひとつ。太陽や月は、物事を分析する。分析して物事を捉えていく傾向があります。小さな星は美的センスや情緒を表します。涙もろいとか情に厚いとか、これが隠されています」

ふむ?

「物事を何かやる時に、理論的に鋭く切り込もうとしながら、情緒の部分が出て、急に嫌になっちゃっう。人付き合いも論理的なコミュニケーションを好みながら、実際には人情の世界だと思います。そんな感じに星からは見えますね」

 まあ、そんな感じだ。知人は私をそんな風に見ているだろうなと思う。理屈っぽくて飽きやすくて感情的。それにしても生年月日でそこまでわかる? それが普通? ありゃ。

「占星術では、47、48才でいったん周期が終わるとなっているんですね。来年は一からやり直すとか自分の力だけでやるといった時期にあたります。進む力は強いでしょうが、悩むことも多いと思いますね」

 プライベートなことを説明する。初めて会った人に話すことでもないが、先に占いで性格が当てられると、つい話してしまう。カウンセラーの資格も持っている北澤さんは、やたらに聞き上手なのだ。



神事占で使うカード。それぞれに日本神話に準じた意味が与えられている。それを解釈していく。カードの解釈が重要という点では、タロットカードとよく似ている

 次に神事占(しんじせん)。神社や森が写った4枚のカードで占う。悩み事(私の場合は仕事だ)への解決策を示してほしいと念じながらカードを切る。一番上のカードが将来どうするか、二番目のカードが現在の状況を示すのだそうだ。

「自分のことを自分で占って、ストンと心が落ちるところまで示されたものを感じ取るということをしていただかないとあまり意味がないんですね。他人が占って伝えるのは、本当のところは無理なんですね」

 選ばれた写真を見て、どう自分が感じるか、それが神事占だ。言われるがまま、カードを切ってめくると、1枚目に鳥居、2枚目に神社が出た。

「どう思われますか?」

 1枚目は鳥居ですよね? くぐるかくぐらないか、手前でボーッとしている? 2枚目は……ゴチャゴチャしてますねえ。これが将来だとすると困るなあ。どう考えていいのか、よくわからない。

「1枚目は天岩戸ですね。今までの仕事に対するやり方は、他人から言われたことを虚心坦懐にやるというか、他人とつながって仕事をすることをこの4〜5年すごく重視されてきたと思います。過去の成功体験を意味することが多いんですね。くぐるくぐらないで迷われていることから、テーマが変わってきているのかなと思います」

 この5年、好き嫌いできるできないは保留して、来る者拒まずでやっているからなあ。そんな拒める立場にないし、何でもやってみないとわからないし。

「2枚目は何でもやろうとすることを示しているんですね。古事記や日本書紀での国作り神話のカードなので、いろんな神々がいて対立もある中で、地に降りて苦労しながらも自分の使命はちゃんと貫く」

 いろいろと揉めるだろうが、やんなきゃいけないと思っていることをやれと。そう変わる時期だと。前向きな占いだな。3年後よりずっと役に立つ。

 途中から聞かれてもいないのに私はいろいろしゃべっていた。さすがプロ、引っ張り出すのがうまい。頭の中のぼんやりしたことを言葉にするって大事だ。

 神様からご宣託でもいただくのかと思っていたが、真逆だった。カードの中身が何かはさして重要ではない。占いをきっかけとして自分のことを北澤さんに話し、話すことで自分の現在や進みたい方向がクリアになる、そういう場だと理解した。

 体を他人に任せるのは気持ちがいい。だから女性はエステに通う。やせるやせない以前に、まずその心地よさ。占いやカウンセリングは同じ理由で、心を他人に任せる。

 広告風に言えば、心のエステなんだなと、永遠の3年後である私は思ったのだ。



今年、同店では占いセラピー特別セッション「本当の初詣」を行う。初詣が現代の形になる前の「年籠り」という伝統を現代風にアレンジするセラピーだ。12月31日〜1月4日の各日開催 1.5〜2時間 /1回 参加料7000円(税込・お土産等全て込)/予約制


〒 169-0075
東京都新宿区高田馬場4-13-12 伊豆栄ビル3F
TEL 070-6469-7242 
※占い料金 15分3000円から。詳細はホームページで。

(取材・文/川口友万)