Q:顎関節症のきらいがあるし、程度は軽いが歯周病もあります。最近、上下の歯を触れさせなければ顎関節症や歯周病の予防になると聞きました。デスクワークの際、何回かチェックしてみましたが、上下の歯が付いていました。どうすればよいかアドバイスをお願いします。(35歳・小学校教諭)

 A:無意識のうちに上下の歯を付ける癖がある人はけっこういます。その癖について歯科では、「TCH(Tooth・Contacting・Habit)=上下の歯を付ける癖」という言葉があります。
 このTCHは、東京医科歯科大学歯学部付属病院顎関節症治療部の木野孔司准教授が「顎関節症を引き起こしている原因」として発見し、この名を付けました。
 なぜ、上下の歯を付ける癖が顎関節症を引き起こしたり、歯周病を悪化させたりするのでしょうか。
 その理由は、口を動かす筋肉や側頭筋などが収縮し続け、歯を支える歯槽骨に過度な負担をしいるからです。顎関節症は、顎の関節に何らかの異常があり、口が開けづらかったり、口を開けるときに音がしたり、痛みが伴うなどの症状がある疾患です。

●癖は根気よく直そう
 TCHがあると歯が折れやすくなるし、義歯やインプラントが壊れやすくなるという報告もあります。
 歯周病を悪化させるのは、上下の歯が絶えず接触していると、歯に横揺れをもたらすためと考えられています。歯周病は物理的な圧が継続してかかることによっても発症するし、悪化もします。
 TCHは、上下の歯を付けるといっても、噛みしめるほどに強いものではありません。しかし、軽く触れているだけでも上下の歯には圧がかかるのです。
 職場でのパソコンの作業などで仕事に熱中しているときは特にTCHが見られるといいます。しかし、ほとんどの人がそれに気がついていないようです。
 口を閉じているときは、上下の歯は付いていないのが正常です。会話や食事の際にほんの瞬間的にだけ触れ合うだけです。
 TCHは何でもないことのように思えますが、身についた癖のため、なかなか直りにくいものです。
 しかし、毎日意識して気をつけていれば次第に変わってきます。三日坊主にならないよう、根気よく続けてください。

山田晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、そのゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。