“嫌われ者”キングコング西野が語る「チケット2000枚を手売りした理由」【インタビューVol.1】
『はねるのトびら』で突き抜けることができなかった。でも、まだ方法はあるはずだ。

(『嫌われ西野、ニューヨークへ行く』/西野亮廣)

 お笑い番組を観ていると、母が「この人は面白いねぇ!」と称賛したり、「全然、笑えない」と酷評したりするのだが、「いい顔をしている」という、これまでにない褒め方をした人がいる。キングコング西野亮廣。「カッコいい」「イケメン」ではなく、「いい顔」。普段NHKのニュース番組しか観ない64歳の母は、お笑いのことは何も知らない。キングコングのことも知らない。

 西野亮廣の「いい顔」について、5章に分けて迫ろうと思う。タイトルは、「進化するキングコング西野」。

◆「進化するキングコング西野」Vol.1 独演会

 西野をどう解剖しようかと考えたとき、真っ先に浮かんだのが「西野亮廣 独演会」。’03年に始めたトークライブだ。……と言っても、ネタあり、VTRありの、いわゆるお笑いライブではなく、ただひたすら一人で90分喋り続ける。全国各地、11年間で53公演。昨年8月、ついに日比谷公会堂で2000席を満員にした。

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――独演会を始めたきっかけは?

20歳のときに『はねるのトびら』が始まって、2年くらい経ってゴールデンにいこうというときだったんですけど。当時、「やってください」と与えられてやる仕事がほとんどだったんです。テレビ番組はスタッフさんが何日も会議をして企画を考えるので、僕らは“純プレイヤー”なんですよ。でもふと、(これ、ずっとやってっても、僕、そんなに才能ないぞ。危ないことになるぞ。)と思ったんです。だったらゼロから、地面をならすところから全部自分でやる、というのをやろうと思って。一人の喋りやったら、変わったエピソードを拾うところから全部やらないとダメですから。こういうことをライフワークにしていこう、と思ったのがちょうどその頃ですね。

――日比谷公会堂で公演することになった経緯とは?

「劇場にお客さんが入らなくなってきた」というのを、よう聞くようになったんです。今がお客さん入っていないわけではないですけど、僕はお笑いブームを経験しているので、一時に比べたら減ったなと思いました。じゃあ、一回、お笑いに興味がない人も呼んで、そこからライブに行くようになる、という流れを作ろうと。とにかく大きい器を用意して、そこに呼ぼうと思ったんです。なので、一回の予定やったんですよ。それが、今年もやることになったんですけど。

――西野さんが経験したお笑いブームというと?

『オンエアバトル』があって、『エンタの神様』『レッドカーペット』が出てきたときですね。19、20歳の頃、『オンエアバトル』に出てたんですけど、放送されると翌日、劇場の周りにお客さんがたくさん集まるんですよ。「オンバトに出てた人だ!」みたいに。間もなく『はねトび』が始まって、いろんなネタ番組も始まって、その頃はお客さんが劇場に溢れてたんです。一カ月に一組くらいスターが生まれてましたから。はんにゃとか、ジョイマンとか、ギャーギャー言われる芸人が次々に出てくるので、劇場が賑わってたんですよね。今も「なんばグランド花月」は365日3回公演で、800くらいのキャパが毎日満席なんですけど。そういう劇場もあれば、そうじゃない劇場もあって。なので、とにかくライブにお客さんが来てくれないことにはなぁ、と思ってます。

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 日比谷公会堂での独演会チケットは、西野自身が“手売り”した。20歳で『はねるのトびら』がスタートして、12年間、メインMCで番組を引っ張ってきた男が、手売りをしたのだ。

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