前回ファイナルの決勝弾をアシストした長友…ブレない心で連覇へ挑む

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 オーストラリアでのアジアカップ2015を控えた日本代表の国内事前合宿も2日目に突入。30日は午前中に都内でフィジカルテストを行い、夕方から千葉県内のグランドでトレーニングを行った。前日同様、サポートメンバーの牲川歩見(ジュビロ磐田)と中島翔哉(FC東京)を含む24人の選手が参加したが、右ひざ負傷のため初日は別メニュー調整だった川島永嗣(リエージュ)は今回も全体練習には合流しなかった。ただ、これはあくまで大事を取っての措置で、1月12日の初戦・パレスチナ戦(ニューカッスル)への影響はないと見てよさそうだ。

 この日はサーキットトレーニングに始まり、2人1組のパス交換や2グループに分かれた8対3、ハーフコートの3分の2程度の広さを使った10対10が1時間強行われた。「(ハビエル・アギーレ)監督は練習を短くきゅっとやる感じ」とキャプテン・長谷部誠(フランクフルト)も話していたが、今はコンディションのバラつきをなくすことを最優先に考え、あまり負荷をかけないでいるようだ。

 不完全燃焼に終わったブラジル・ワールドカップで号泣し、気持ちを切り替えて挑んだ今シーズンのインテルでは新加入のドドに左サイドの定位置を奪われ、けがにも悩まされるなど、2014年は苦境が続いた長友佑都(インテル)も、今大会には特別な闘志を強く抱いている。インテルでは11月にヴァルテル・マッツァーリ監督からロベルト・マンチーニ監督に指揮官が変わり、ポジションも左右両方で臨機応変に起用されるようになったが、日本代表でも同じようなユーティリティ性を求められる場面が増えるだろう。というのも、内田篤人(シャルケ)が離脱し、右サイドが手薄になっているからだ。

 アギーレ監督は右の候補者として昌子源や植田直通(ともに鹿島アントラーズ)、塩谷司(サンフレッチェ広島)らフレッシュな面々の名も挙げたが、国際大会の経験値を考えると不安な部分も少なくない。長友であればどんな状況でもあるレベル以上のプレーが計算できる。本人も「もちろん左の方が慣れてるけど、僕のサッカー人生をいろいろ考えた時、右でも自分のレベルを上げていけるってことは、どっかで必ず役に立つ」と前向きだ。

 4年前のカタール大会で修羅場をくぐっている点も心強い。決勝・オーストラリア戦では後半途中から1つ高い左MFにポジションを移し、李忠成(浦和レッズ)の劇的決勝弾をアシストする活躍も見せた。

「あの決勝の時は正直、あんまり体調がよくなくて、延長戦もすごいしんどかったんです。ただ、メンタル的にかなり安定していたし、乗ってたっていうのがあったんで、体がそれについてきたかなと。だからこそ、精神面がすごい大事かな。そこが安定してれば体はどうにでもついていけるかなと思います。メンタルを安定させるには、目の前の環境や状況に対して敏感にならないこと。人間は目の前に起きることに敏感に反応して、感情が出てくる。その環境によって自分の精神的なコントロールを見失って、ブレてしまうこともある。そこを安定させられれば問題ない」と、長友は1カ月の長丁場の死闘を戦い抜くポイントを改めて口にした。

 2008年に国際Aマッチデビューを飾って足掛け6年。日本が好結果を出してきた時には必ずと言っていいほど長友がいた。彼のパフォーマンスが上向かなければ日本の連覇は難しい。この準備期間を最大限有効活用してほしいものだ。

文=元川悦子