鹿児島市や佐賀市などを回る冬巡業も終わり、力士たちはいよいよ年明けの1月11日から始まる初場所(両国国技館)に備えた稽古期間に入った。冬巡業で注目を浴びたのは、やはり逸ノ城と遠藤の2人。中でも遠藤は九州場所で8日目以降8連勝し、入幕して2度目となる2ケタの10勝を挙げただけに、頭打ちの状態だった人気もすっかり復調。どこに行っても怪物人気の逸ノ城を上回る拍手や歓声に包まれていた。

 とはいえ、問題はこれから。初場所の番付発表は年末の24日に行われるが、遠藤は再び幕内上位、横綱大関と対戦圏内の前頭3枚目か、4枚目あたりに浮上するのは確実だ。これまで遠藤はこの位置で計3場所取っているが、いずれも負け越している。

 とりわけひどかったのは秋場所で、3勝12敗と惨敗した際に師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は、「相撲がバラバラ。特に立ち合いが全然ダメだった。上手が取れず、自分の持ち味を全く出せないまま終わってしまった」と話していた。先場所後半に連勝できたのは、この立ち合いの当たりが良くなり、右上手を取って攻め込めるようになったから。冬巡業でも、この九州場所でつかんだ立ち合いの呼吸を忘れないように積極的に上位陣の胸を借りる姿が目立った。
 「相撲は確かにうまいが圧力がない。これまで上位に上がってきた人で圧力のなかった人は1人もいない」

 上位陣からハネ返されるたびにこう言われてきた課題をどう克服するか。やらなければいけないことは山ほどある。
 今度こそ勝ち越し、存在感を見せつけないと、大物ぶりを発揮している逸ノ城に置いていかれるだけ。遠藤にとって今年は、年末休暇も正月休みも無縁のものになりそうだ。