アベノミクス再始動で騰がる中小型株
選挙前から好調をキープしている日本株。’07年につけた1万8261円の高値更新はもはや時間の問題だ。そこで気になるのは選挙後の株価の行方。選挙結果は株価にどう影響を与えるのか。そして、選挙後に騰がる銘柄を聞いた。

◆自民党勝利で円安加速!? 1ドル=140円も視野に!

「大義なき選挙」と言われた今回の解散総選挙。気になるのは、自民党勝利が日本の株式相場にどのような影響を与えるのかということだ。

◆組閣後に溜まっていた政策が一気に噴出!

 株式評論家の山本伸氏は、「選挙後から本格的な国策相場がスタートする」と予測する。

「これまで、アベノミクスの成長戦略は全くと言っていいほど進んでおらず、株式市場でも注目されなくなっていました。しかし、今回の選挙後、成長戦略が加速する可能性は高い。安倍首相が解散総選挙に打って出たのもまさにそのためでしょう。原発を再稼働したり、米国に対してTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で大幅に譲歩したり、集団的自衛権に関する憲法解釈を変えるなど、これから国民に嫌われる政策を推し進めていくはずです。第三次安倍内閣が固まれば、これまで滞留していたこれらの政策が一気に進むことになります」

 今後、為替相場の状況によっては、郵政解散後の’06年に小泉政権下で巻き起こった、異様な熱気を帯びた相場になる可能性もある。

 また、SBI証券のアナリスト・藤本誠之氏も「成長戦略が加速する」と指摘する。

「選挙によってさらに4年間、安倍首相が信任されることになります。今回、消費税再増税は経済状況が悪化したため延期となりましたが、次はきちっと再増税をできるよう、じっくりと成長戦略をやっていくでしょう。『国策に売りなし』という相場格言通り、国策絡みの銘柄がけん引する形で株式相場も上昇を続けるのではないか」

 藤本氏によると、選挙後、勢いに乗った日経平均株価は’15年半ば頃までにバブル後の最高値水準である2万1000円程度まで上昇する可能性があるとのこと。さらに、金融ジャーナリストの岡村友哉氏も「追加緩和やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直しなどを受けて、今後も外国人投資家の買いが続き、相場も上向きが続く」と分析する。

 選挙後も相場上昇が続きそうな日本の株式市場。では、いったい成長戦略が加速することで、具体的にどんな銘柄が騰がるのか。

「TPPは、実は米国のビジネスルールを他国に押し付けるものなのですが、このTPPをはじめ、アベノミクスの大半が『円安』加速の要因になります。すでにドル/円相場では円安が止まらない状況になっていますが、ここに成長戦略が加われば比較的短期のうちに1ドル=140円、今後数年で160円程度まで円安が加速すると予想しています。そうなれば、もう円安関連株を投資対象から外すことはできなくなるでしょうね」(山本氏)

 山本氏と岡村氏の両者は、ここまでは大型株が買いの主役だったが、今後は小型株が大型株の上昇に追いつく動きが出てくるとの見方で一致。下記で取り上げた銘柄も中小型株になっている。

⇒【後編】に続く http://hbol.jp/17283

<3賢人による「解散総選挙後」推奨銘柄〜前編〜>

【山本伸氏】

●日本プラスト(東2・7291)
株価1540円/目標株価2000円
独立系自動車部品会社。エアバッグが売り上げの約半分を占め、リコール問題に揺れるタカタの代替需要の恩恵は膨大か。収益貢献は先だが、リコール問題解決まで人気化必至

●帝国通信工業(東1・6763)
株価211円/目標株価250円
老舗の抵抗器メーカー。家電向けは低迷が続くが、自動車の電装化によって主力の前面操作ブロックが好調。2期連続黒字で決算書の「継続前提に重要事象」は解消が濃厚