酒のさかな

写真拡大

「日本人なら日本酒を飲め!」などと偏狭なことは言わない。焼酎もどぶろくもおいしいし、ビールやワイン、ウイスキー、ウオツカ、ラム、シェリー、紹興酒にマッコリ......世界にはうまいお酒がいっぱいある。けれど、忘年会や新年会といった「日本的宴会」には、お酒が合う。年末年始、お酒のおともに、こんな本はいかが。

J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(http://www.j-cast.com/bookwatch/)でも特集記事を公開中。

読んだら、一献傾けたくなる禁断の書

フードスタイリストの高橋みどりさんが幻の名店「にぼし」のおかみ、船田キミヱさんから教わったものを紹介する『酒のさかな』(950円 筑摩書房)は、読んだら飲みたくなる禁断の一冊だ。

酒のさかなを紹介した本。春夏秋冬、それぞれの季節に合わせた簡単料理だ。見開きで、右ページに材料や作り方が、左ページにはその料理がイラストで紹介されている。冬のこの時期ならブリ大根、牡蠣のマリネなんかがおいしそう。

作り方の説明は、ときにはたった3、4行で終わることもある。でもこのあっさり加減が不思議と心地いい。

「いい料理人はいい素材が入れば、あれこれ手を加えない。でもそれを誰も手抜きとは呼ばない」

この本もまさにそんな感じだ。

日本の潜在力に、乾杯!

『クールジャパンとは何か?』(1080円、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、書名どおり、クールジャパンとは何かを、クールジャパン機構代表の太田伸之さんがていねいにその仕組みなどを説明している。たとえば

「日本の和牛は確かに美味い。しかし、松阪、神戸、飛騨、宮崎と国内だけで競争しているうちに、世界ではオーストラリア産のWAGYUにいいようにやられてしまった。和牛とWAGYUがいかに違うか、和牛にどれだけ高付加価値であるかをもっと世界に発信せよ」

といったように、ニッポンの持ち味が何かを整理したうえで、「小さな日本のなか、井の中の蛙ではなく世界で大きく展開せよ」と、その戦略・ヒントを紹介する。

日本酒は、国内の大手酒造はほんのひとにぎり。その一方でいいお酒を作っている小規模な蔵元はたくさんあるのだから、大手と同じ土俵にたって一升瓶で展開するのではなく、四合瓶で高級イメージの統一化をはかれと提言する。ニッポンにはまだまだ底力があるんだと再認識し、ニッポンに「乾杯!」したくなる本。

東京オリンピック開幕までに日本酒ツウになれるか

待ち合わせに、「じゃあ5時前後で」といった場合、具体的な時間で表すならどれぐらいになるのか? せっかち人間なら前後1分、4時59分0秒から5時0分59秒までのわずか2分の猶予かもしれない。ゆったり、のんびりしたお国柄の地に住む人なら、逆に4時0分01秒から5時59分59秒まで、約2時間は許容してくれるかも......。同じ言葉でも解釈は大きく違ってくるわけだ。

お酒の味を表す「辛口」とか「甘口」といった言葉も、分かったつもりになって、知ったかぶりで使っているけれど、実はとてもあいまいで、危うい言葉!?

『LOVE 日本酒!』(842円、学研パブリッシング)は、こういたあいまいなところを具体的に整理した日本酒ガイドブック。「最初の一杯は?」「燗酒ならこれ」「肉に合わせるなら?」など、シチュエーション別におすすめの1本をアンケート結果などを交えて紹介している。

円安や東京オリンピック開催決定で、日本へ訪れる外国人観光客が増えている。この本を読んで、彼らに分かりやすく説明できるほどの、日本酒ツウになりたいものだ。