キャピタル・アセット・プランニング  代表取締役社長  北山雅一

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働き盛りの現役世代にとって、相続税は他人事。住宅ローンや教育資金、あるいは老後資金に不安を抱えているのが現実で、親を見送る時のことなど考えもしない。まして、一家の資産について親子で対話をすることもない――そんなことでは「納税しなくて済んだはず」の相続税を支払い、国を喜ばせてしまいます。親にしたって、将来子どもたちが争ったり、せっかく貯めた資産を国に盗られたりするのは本意ではないはず。家族と資産を守るには、先入観にとらわれない確かな情報と知識が欠かせません。そして、一家の資産を棚卸してみること。独自のノウハウと戦略で金融商品のフロントエンドに特化し「顧客の資産を守る」キャピタル・アセット・プランニングの北山雅一社長が、20年計画で取り組む「ファミリーが幸せになるためのタックスプランニング」を伝授します。

老後資金は本当に不足するのか?

 相続税対策はもう始めていますか? いえ、親のではなく、あなた自身のです。もちろん、親御さんの分がまだであれば、早急に着手していただかなければなりません(手遅れでないことを心から祈ります)。

 でも、私が薦めたいのは、現役ばりばり、働き盛り世代がいまから始める相続対策です。

「普通のサラリーマンだから、相続税が心配になるほどの資産なんてない」

「子どもにもまだお金がかかるし、むしろ老後資金が不安なぐらいだ」

と思った方も少なくないかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?

 巷には、老後資金は最低でも1億円が必要、ゆとりある暮らしのためには1億5000万円ぐらいは用意すべき。現役のうちにしっかり貯めておこう――そんなメッセージが溢れています。

 確かに、少子高齢化がこのまま進めば、公的年金の減額や医療費の自己負担率の引き上げという、シニア世代には厳しいシナリオも十分に考えられます。そういう意味からすれば、夫婦2人で1億円、できれば1億5000万円以上の純資産という必要額は、まずまず妥当な線ではないかと私も思います。

 ただ、この1億5000万円という数字(ここでは仮に、これを老後の必要資金額としましょう)には、自宅不動産は含まれていません。処分をすれば売却資金が入るし、貸しに出せば賃料収入が得られるので、持ち家の場合はその分を差し引いて考えることができます。

 一方で、公的年金や企業年金などの老後の収入が1億5000万円に含まれますが、現在50歳代以上のサラリーマンの場合はこれがかなりの額になります。大手企業で高給を得ているサラリーマンであれば(ダイヤモンド・オンラインの読者にはそういう方も多いと思います)、公的年金と退職金(企業年金を含む)の受給額だけで、1億円を軽く超えるケースが少なくありません。

 そうなると、金融資産で5000万円あれば、老後資金は足りる計算になります。

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