30年以上の経験を持つ為替のスペシャリストで、バーニャマーケットフォーカスト代表の水上紀行氏は、FX(外国為替証拠金取引)で年末年始の時期に気をつけなければならない相場の動きがあると指摘する。そのポイントとは何か、水上氏が解説する。

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 年末年始にかけて例年ほぼ繰り返される、これからの相場の基本的なパターンがありますので、この場でお話ししておきたいと思います。

 まず、9月初めからの英米勢の下期のトレーディングシーズンは、11月後半から12月初旬で手仕舞いに入る傾向があります。なぜなら、ファンド筋の本決算は11月末、金融機関の本決算は12月のXmas前となるのが、一般的だからです。

 さらに加えて、11月の第4木曜日が米国の感謝祭となり、これを過ぎるとホリデーシーズン(休暇シーズン)となって、マーケットは一層、新規のポジションメイクはやめ、既存のポジションの手仕舞いが中心になります。

 そして、手仕舞いが済めば、実際に休暇に入るトレーダーは多く、Xmasまでのこの期間、相場はレンジ相場になる傾向にあります。しかし、Xmasが明け、英国のボクシングデー(12月20日)を過ぎると、英米勢の新年度が始まり、年末年始を挟んで投機的な相場になります。これは英米勢は新年度になると、前倒しで収益を獲得しようとするために、新年度に入って早々から猛烈なスタートダッシュを掛けてくるからです。

 昔、ある投機的で有名だった大手米銀が、正月三が日で、ドル/独マルク相場を1000ポイント往って来いをさせて、年間収益目標を達成したといった例もあるくらいで、この時期大変荒れますので、十分な注意が必要です。

 特に、日本勢は、正月三が日明けに、マーケットに戻ってきて、相場に乗ろうとすると、既に仕掛けてきていた英米勢の良い利食い場にされることがありますので、この時期の相場にはあまりのめり込まないことが得策だと思います。

 このように、年末年始の時期は、ある程度動きがパターン化していますので、その点に十分留意してトレードすることが大事です。尚、通常、Xmas直前から当日は、相場が閑散としますが、アベノミクスが始まった2012年のXmasは、ドル/円大幅上昇の千載一隅のチャンスとばかりに、米系ファンドが休み返上で勝負に出た時もありますので、Xmasだからといって常に閑散というわけではなく、ケースバイケースであることは十分ご理解ください。

 しかし、この時の米系ファンド達の貪欲さは学ぶべき点が多かったと思います。つまり、稼ぎ時と思えば果敢に挑み、しかし獲物がいなければ、無駄な賭けには出ずに静かにしている、まさに狩猟民族的なトレーディングスタイルが必要だと思われます。(11月17日執筆)

※マネーポスト2015年新春号