爪の色や形の変化で病気の一端がわかる--。爪は皮膚の一部で、毛細血管やリンパ液が届ける栄養によって生成される。ところが、臓器の不調で抹消の血液循環に障害が起きると、指先のリンパ液の流れも悪く、爪の栄養状態が変化して変色や変形を起こす。
 「爪の急激な変化や不自然な色、形に気付いたら、病気を疑った方がいい。色や表面の様子は隠れている病気の発見にも繋がるからです」(専門医)
 その理由は、血液の抹消循環に障害が起きると、爪に白色や黄色、赤茶色への変色が見られる。白色になるのは、血流が途中でストップして爪まで届かなくなり、そこから「肝硬変」「肺がん」「白血病」「心不全」などの病気が関係していると考えられるからだ。

 一般的に健康な爪は透明に近く、「爪床」といわれる爪の下部分は毛細血管の色が透けて見え、薄ピンク色をしている。手の爪は1日に0.1ミリ前後、足の爪は0.05ミリ前後が自然に伸びるとされ、爪の根元には乳白色をした三日月形の「爪半月」がある。
 その爪半月について、“不健康な人は小さい”と誤解されているようだが、大きさは健康状態に関係はないという。
 「細胞分裂により爪を作るところが『爪母』で、それに接する乳母白色半月状のものが『爪半月』。いわばできたての爪なのです。ちなみに、成長して伸びた爪甲(そうこう)は透明になっていきます」(専門医)

 皮膚科医によれば、爪甲全体の変化から、全身疾患、感染症の診断ができるという。
 「爪はケラチンと呼ばれる繊維タンパク質やビタミンなどからできています。無理なダイエットなどで栄養バランスが崩れると、爪母の働きが変化して、爪の色、つや、形に変化が出てくることがあります」
 と言うのは、木下皮膚科医院の木下恵子院長。
 同院長によれば、健康な爪は血色がよく、ピンク色になるが、栄養状態が悪いと爪の表面に凹凸ができる。縦シワが増えるのは老化現象だが、横シワができて、盛り上がるときには内臓疾患が疑われるという。

 また、爪が薄く剥がれ、スプーン状に盛り上がっているときは鉄欠乏症貧血の可能性がある。
 「水虫」も足の爪が白く変色するケースがある。悪化すると緑膿菌が繁殖して、緑色になり、角質が異常増殖して爪の下が厚くなる。さらに加齢によって「栄養状態が悪くなると、爪の下半分が白、上半分が黒ずむ状態の「ハーフ&ハーフネイル」は、腎不全や人工透析などを受けている患者に多く見られると言う。

 東京・多摩総合医療センター皮膚科担当医はこう説明する。
 「同じ爪の状態の変化はさまざまです。血液循環障害(血流障害)でも、甘皮部にある毛細血管が詰まって破れることで出血し、爪に赤茶色や黒褐色の短い線が現れます。これは、全身性疾患の存在を疑わせるもので注意が必要。とくに心臓内部に細菌が感染する感染性心因膜炎が原因の場合は注意が必要です。菌塊が毛細血管に詰まって破れることで起こり、急性の場合は命の危険があるため、きちんと診察しなければなりません」

 また、循環障害になると白色、茶色の他に黄色への変色が見られる。原因は二つあって、まず疑われるのは肺機能が弱って酸素が全身に行き渡らず、抹消のリンパ流の栄養障害が起きることである。