関西電力、原発停止の影響続き電力料金値上げへ
関西電力は17日、電気料金の値上げについて、実施せざるを得ないと判断し、具体的な手続きに向け準備を進めると発表した。
同社は、昨年に最大限の経営効率化と高浜発電所3、4号機および大飯発電所3、4号機の再稼動を前提に、電気料金の値上げを実施した。以降、電気料金に織り込んだ経営効率化を進めてきた。
また、一方で、原子力プラントの再稼動に向けて、原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査について、真摯に対応してきた結果、高浜発電所3、4号機については、原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案が提示され、大飯発電所3、4号機は、基準地震動について概ねの了解を得たという。
しかし、審査は現在も継続中であり、依然として再稼動時期の目処が立っていない。さらに、すでに、昨年の料金改定時に前提とした時期に比べ、原子力プラントの再稼動が大きく遅延していることから、火力燃料費などの負担が著しく増加しているという。これにより、今年度の決算も過去3期に引き続き、赤字と計上すると予測している。
これ以上厳しい収支状況が続けば、財務基盤の毀損は一層深刻さを増し、燃料調達や設備の保守・保全などに必要な資金調達が困難になる。これにより、電力の安全・安定供給に支障をきたすおそれがあるとし、電力料金値上げを決定した。
値上げの具体的な内容については、決定次第、発表するとしている。