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今シーズンも、熱いプレーを見せてくれたプロ野球選手たち。振り返れば今季は、両リーグを通じてレギュラー捕手に世代交代の波が襲いかかり、将来有望な若手捕手の活躍が目立ったシーズンだった。今回はセ・リーグ各球団の捕手事情を振り返ろう。

○阿部の後釜として正妻を狙う小林が越えるべき壁

予想された独走状態ではなかったものの、リーグ3連覇を果たした巨人。予想外の理由の1つは、阿部慎之助の不振にある。これほどまでに衰えるとは、シーズン前に誰が想像できただろうか。

その要因の一つとして、キャンプでの練習不足が考えられる。シーズン途中から巻き返していったものの、打率.248、19本塁打、57打点はプロ14年間の規定打席到達シーズンでは最低の数字。盗塁阻止率もリーグNo.1の黒羽根利規(DeNA)の.395に対して.273と、3割を割った。「捕手・阿部」の衰えは誰の目にも明らかで、シーズン終了後に来季は一塁手へ転向することが発表された。

こうした状況でチャンスをつかんだのが、1年目の小林誠司だ。今季は63試合に出場して打率.255、2本塁打、14打点と打力はまだまだ阿部に及ばない。だが、緊張感あるクライマックスシリーズにも出場し、十分に経験を積んだ1年目といってもいい。

「捕手は横一線からのスタートで争ってもらう」という言葉で口説き、相川亮二をヤクルトからFAで獲得したことで、無条件で小林がレギュラーにはまることはなくなった。ただ、これもまた小林にとっては経験であり、越えるべき「壁」をしっかりと準備する愛ある球団の措置に、小林はどう応えるのだろうか。そのあたりにも注目したい。

○阪神・梅野は10年ぶりの聖地でのルーキー弾を記録

巨人以外でも、若き正捕手候補たちが続々と1軍で活躍した。

2位の阪神では、ルーキーながら92試合に出場して、7本塁打を記録した梅野隆太郎が頭角を現した。7月8日の広島戦で5号ソロを放ち、阪神では2004年の鳥谷敬以来、10年ぶりにルーキーが甲子園球場で本塁打を放った。日高剛が引退を表明し、鶴岡一成、藤井彰人は高齢。小宮山慎二、清水誉はやや頭打ちしている感があるため、梅野にかかる期待は大きい。

広島の若手捕手では、會澤翼が熱い。8年目の今季は65試合に出場。一昨年の28試合、昨年の31試合から出場数を増やした今季は、8月末のケガさえなければ、さらに出場が増えていたはず。クライマックスシリーズ前に復帰し、再びスタメンに戻った。来季は「打てる捕手」として、確固たるレギュラーを奪いたいところだ。

○DeNAやヤクルトにもキラリと光る若手

Bクラスに沈んだチームも、着々と若手捕手が経験を積んでいる。

DeNAでは前述したとおり、リーグNo.1の盗塁阻止率を記録した黒羽根利規が台頭した。9年目の今季は109試合に出場し、同世代の迮岡賢二郎、西森将司らを突き放した。ただし油断は禁物。今季48試合に出場した郄城俊人や、1年目ながら10試合に出場した嶺井博希が成長してくれば、出場試合数が逆転する可能性はある。

2年連続最下位に沈んだヤクルトだが、99試合に出場した中村悠平にとっては、よい経験が得られたシーズンであった。打撃面では打率.298、5本塁打、41打点という及第点の成績を残した。ここ3年で順調にキャリアを重ねてきた中村は、来季の開幕戦のみならず、フルシーズンでマスクをかぶっている可能性は高い。真中満新監督率いる新生ヤクルトの扇の要として、中村には大きな期待がかかる。

○誰が谷繁兼任監督を押しのけるのか

セ・リーグで最後に触れたいのが、中日の捕手事情だ。谷繁元信が選手からプレーイングマネージャーに変わり、シーズン前から「誰が谷繁から正捕手の座を奪うのか」に注目が集まっていた。

しかし結果は、「谷繁頼み」から脱皮できなかったといってよいだろう。91試合出場の谷繁に次ぐのが67試合出場の松井雅人で、その次に続く捕手は現れなかった。あまりの捕手不足に、シーズン途中には西武から武山真吾を獲得。33試合に出場したことを考えると、中日の捕手編成の改善は早急に手を打つべきだ。44歳の谷繁に次ぐ37歳の小田幸平は戦力外通告を受け、チームを去ることが決定。来季こそ、谷繁の背中を超える正捕手の出現が待たれる。

週刊野球太郎

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