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台湾出身。現在は東京を拠点に活動するフリーランスの写真家、鈴木ジェニーさん。インテリア、料理、ファッションなどのジャンルを得意とし、雑誌や広告、書籍など幅広い媒体で活躍しています。2歳の男の子のママでもあるジェニーさんに、これまでの道のりを伺いました。

■日本で働こうと思ったきっかけは?

台湾にて、台南應用科技大学インテリア学科を卒業。その後来日し、日本大学芸術学部写真学科に入学したのをきっかけに写真の道に進むことに。それからずっと日本にいます。

大学3年生のとき、スポーツ雑誌の写真部に早々と就職が決まったものの、就職直前になって私が入る予定の部署が解散。どうしようかと思っていたとき、ある写真の専門誌を見て写真家・泊昭雄さんの写真に一目ぼれ。ちょうどアシスタントを募集していたのですぐに応募したところ、採用してもらえたんです。求人情報に合った年齢は超えていたんですけどね。

1年半ほど泊氏に師事した後、「本当にこのまま写真を続けるのか?」という迷いもあり、自分を見直すために一度写真を離れました。半年くらい日本料理屋さんとかでバイトをしていたんですが、やっぱり写真をやりたいという気持ちが強く湧きあがってきて、今度は写真制作会社に入社。実はここも年齢オーバーだったんですが(笑)、"写真好き"であることが買われて採用されました。その後、結婚を機に独立して、今はフリーランス。夫は日本人の会社員です。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

今は子供も小さいので、ゆとりのあるペースで働いていることもあり、会社員時代と比べるとお給料は高いこともあれば、少ないこともあります。そもそも大きな仕事が来るときは立て続けにきますが、逆もあるし、波が激しい業界ではありますね。ただ、フリーランスは自分で仕事が選べるし、やりたいことがあれば自ら提案することもできるので、会社勤めより精神的な満足度は高いです。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

とにかく写真がすごく好きで、今もどんどん好きになっていて、もうこの仕事しか考えられないという感じ。いい写真が撮れて、クライアントにも「ジェニーに頼んでよかった」と言われると、本当に嬉しいです。いつも撮影の前は、どういう写真を撮ろうかイメージしながら現場に向かうのですが、実際に自分のイメージしていたものとドンピシャなものが撮れたときは嬉しいですね。

それから年に一度は写真展をやると決めています。写真展は私の中ではちょっとした息抜き。依頼された仕事は100%自分の好きに撮れるわけではないですが、写真展では本当に自分の好きなものだけを展示できる。本来の自分に戻れる場所という気がしています。

■日本で働くストレスやカルチャーショックを受けたことがありますか?

当初、一番苦労したのは、事務所での電話の対応ですね。とくに敬語が難しくて……。あとは職場の上下関係。会社にもよると思いますが、台湾に比べると先輩後輩の上下関係が厳しいと思います。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

写真展の会期中は、ギャラリー近くの店で食べる日が多いですね。今日はカレーライスを食べました。普段は打ち合わせを兼ねた外食も多いですし、スタジオでの撮影ならケータリングのお弁当を食べたりと、日によっていろいろです。

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

日本人は他人に迷惑をかけていないかどうか考えたり、遠慮したりする気づかいがとても上手。フレンドリーだけど、一歩ひいている。その距離感が私はすごく好きで、居心地よく感じます。台湾人は結構おせっかい。ちょっと暗い顔をしていると、すぐに「どうしたの?」って、大阪のおばちゃんみたい(笑)。ただちょっと日本人は他人のことをちょっと気にしすぎかなと思うこともありますけどね。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?

少し前ですが、女性閣僚2人が相次いで辞任したニュースは非常に残念に思いました。台湾では女性の上司も多いし、むしろ女性の方がバリバリ働いているくらいですが、日本はまだまだ男性社会だと感じることも少なくありません。

■休日の過ごし方を教えてください。

撮影のない週末は、子ども中心。公園に行ったり、家族でのんびり過ごしたり。最近はみんなで展示会に行くこともあります。

■将来の仕事や生活の展望は?

3年前から日本のアーティスト、たとえば陶芸家やアクセサリー作家の作品を写真に撮って、台湾で展示販売をするという活動を始めました。日本のよいものを台湾の人たちに知ってもらいたい、という思いが発端ですが、実際にどうやって紹介しようかと考えたとき、私にできるのは写真を通して作品を見せることだなと思って。「同じものを見ているのに、どうしてこういう撮り方をするんだろう?」とか、写真の見せ方によって気づいてもらえる作品の魅力もあると思うんです。

また最近では、逆に台湾の若いアーティストたちの作品を写真に撮って、日本で展示販売するという交流も始めましたが、いずれも活動としてはまだ個人レベル。いずれは台湾と日本のアーティストや写真家、ギャラリーなどのネットワークを作りたいと考えています。せっかく日本にいるのだから両国のかけはし、というと大げさかもしれませんが、つながりを広げていきたい。これは日本と台湾は仲がいいからできることかもしれないですね。

(GreenCreate)