関西に初上陸したテンテンコさん

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11月8日、京都GRINDにてスペシャルゲストに元BiSのテンテンコさんを招いた音楽イベント『ブンミャク』が開催された。

「全裸MV」を始めとする数々の過激な活動が話題を呼び、7月の横浜アリーナでの公演をもって解散したアイドルグループ・BiSの元メンバーとして知られるテンテンコさんの、関西初公演となった本イベント。

共演陣はテンテンコさんがファンを公言する、関西のカルトクイーン・アリスセイラーさんを筆頭に、アイドル・DJとして活動するにかもきゅさん、大森靖子さんとのコラボグッズを制作するイラストレーター・原田ちあきさんなど、バラエティに富んだラインナップとなっている。

ほかにもボディペイントショーや、書店によるブース出店など、音楽イベントの枠組みにとらわれない異色イベントの様子をレポートする。

テンテンコ関西に


解散後、メンバーはそれぞれバンド、アイドルグループなど精力的な活動を行っているが、中でもとりわけ異彩を放つのが、フリーランスとして活動をするテンテンコさんだ。

好きなアーティストを一同に集めた自主企画「ブタゴリラ」の開催のほか、自主レーベル設立のために行ったクラウドファンディングサイトでの支援募集では、たった数時間で目標金額を調達。

BiS階段として活動を共にした、ロックバンド・非常階段のメンバー、T.美川さんも「一人だけ凄いスピードで走っている」とコメントを寄せるなど、その活動は留まるところを知らない。

初めからカオス……。いもメンも来襲!


CASIO☆トルコ温泉のみなさん

CASIO☆トルコ温泉のみなさん



イベントのオープニングDJを務めたのは、CASIO☆トルコ温泉の4人。普段はCASIOの機材でパフォーマンスをする彼女達だが、今回は初挑戦となるDJでの参戦。

DJブースにはプレイヤーが4台設置され、1人1台ずつプレイヤーを操るスタイルでの2時間ロングセットを披露。80年台のアイドル歌謡曲からハードコアテクノまで、様々なジャンルの楽曲が縦横無尽に繰り広げられた。

急遽参戦のいもメン。フロアを這いまわる他、エントランスで来場者を迎えていた。

急遽参戦のいもメン。フロアを這いまわる他、エントランスで来場者を迎えていた。



今回のDJセットでは、CASIO☆トルコ温泉のペットとして、さまざまなイベントでその姿を見かける、ゆるキャラの「いもメン」も急遽出演。フロアを這いまわるその姿に、苦笑いを浮かべる観客の姿も目立っていた。

原田ちあきさん

原田ちあきさん



ライブペイントブースでは少し遅れて、原田ちあきさんがペイントを開始。はじまりと同時に赤色の塗料で、キャンバスに大きく「キライ」と書きなぐる。そのまま上塗りを重ね、最後には「楽しいよ ブンミャクなんてかんけーない ブンミャクとかよめない」とイベントの根本すら否定しかねないメッセージを書きなぐり、注目を集めていた。

にかもきゅさん、自重せず。…ボディペイントにも注目!



DJ Shunmeiさん

DJ Shunmeiさん



様々な楽曲がかかり、いもメンが這い回り、手のつけようがないほど混沌を極めたダンスフロア。その流れを変えたのが、DJ Shunmeiさん。Daft Punk「One More Time」のテックハウスカヴァーや、いずこねこがボーカルをつとめたtofubeatsさんのカヴァー「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」などをプレイ。フロアは一転華やかになり、クラブイベント感が漂い始める。

marimoさんによるボディペイント。背景には完成した原田ちあきさんの作品

marimoさんによるボディペイント。背景には完成した原田ちあきさんの作品



ライブペイントブースでは原田ちあきさんにかわり、イラストレーター・marimoさんによるボディペイントが開始。歌舞伎メイクを施した男性モデル、またトップレスの女性へのライブペイントは観客の大きな注目を集め、ブース周辺には大きな人だかりが出来ていた。なかなか見ることのないパフォーマンスということもあってか、スマートフォンで写真を撮影する観客の姿も目立っていた。

シカク。テンテンコさんのグッズも取り扱い。

シカク。テンテンコさんのグッズも取り扱い。



そんなライブペイントブースの近くには、ミニコミやFanZINEを取り扱う大阪の書店「シカク」がブース出店。サブカルチャーを扱う書籍はもちろん、ラブドールの写真集や、エアコン配管のトレーディングカードなど、このイベントならではの豊富な品揃え。テンテンコさんの物販商品を取り扱っていたこともあってか、足を止める人、書籍を手に取ってみる人の姿が見られた。

にかもきゅさん。非常に高速なブレイクコアをプレイ。

にかもきゅさん。非常に高速なブレイクコアをプレイ。



多種多様な展開を見せ独特の空気が漂う中、ダンスフロアにはゲストのアイドル・DJ、にかもきゅさんが登場。得意とするブレイクコアを中心に、でんぱ組.incなどのアイドルネタも織り交ぜてプレイしフロアを沸かせる。非常に高速でビートが複雑に絡み合う凶暴な楽曲を、活き活きとした表情を浮かべてプレイするにかもきゅさんが印象的であった。

DJ T.D / Yohsuke Chiai

DJ T.D / Yohsuke Chiai



いよいよ、テンテンコさん……の前にイベントオーガナイザー、DJ T.Dさんがプレイ。にかもきゅさんのDJの流れを受けつつ、Aphex Twinから町田町蔵まで幅広くプレイし、その流れを大きく変える。出演アーティスト達が制作したアートワークを用いたyohsuke chiaiさんによるVJも注目を集めていた。

yohsuke chiaiさんのVJブース



テンテンコ、関西初公演は……オリジナル楽曲オンリーセット!



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テンテンコさん



いよいよ本イベントの主役を務めるテンテンコさんが登場。何が飛び出すかわからない予測不能なDJスタイルで知られるテンテンコさんは、このイベントに合わせ、オリジナル楽曲オンリーのDJセットを披露。まるでおもちゃ箱をひっくり返したようなポップな楽曲から、不思議で浮遊感のある楽曲まで、様々なスタイルの楽曲を披露。

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楽曲に合わせて歌うテンテンコさんの姿に見とれる観客も多く、会場内には張り詰めた空気感が漂う。最後には、アーバン感の漂うシティ・ポップチューン『Good bye,Good girl.』をプレイ。

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「テンテンコ初関西でした。皆さまお付き合いいただき誠にありがとうございました」とのMCのあとには、フロアから一際大きな歓声が響きわたっていた。

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カルトクイーン、降臨。……まさかの全曲ガンダムSEED!



アマリリス【改】

アマリリス【改】。



テンテンコさんに引き続き登場したのは、「アマリリス【改】」。80年代に京都で結成され、過激な活動で注目を集めたカルトバンド・アマリリスのDNAを引き継ぐバンドである。
テンテンコさんもファンを公言するアリスセイラーさんが率いるバンドということもあり、2人の共演はこのイベントの目玉となっていた。

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登場映像として再生されたのは、なんと『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の映像。パフォーマンス1曲目は同タイトルのオープニングナンバーである『ignited』。その後のMCでは、今回のライブが(アリスセイラーに極めて似た)地下アイドル「ぴいち姫」による公演「ぴいち姫 ガンダムSEED DESTINYを歌う」であることを明かす。

アマリリス【改】



その後も立て続けに同アニメの楽曲を連発。アイドル・アニソン要素が希薄なこのイベントは、ここにきてフロアでヲタ芸が炸裂する異常事態に。

『ガンダムSEED DESTINY』オンリーのパフォーマンス終了後、フロアからの「想像していたのと全然違った……」「カオスで楽しかった!」など、混乱する声も漏れ聞こえる中、テンテンコさんのDJ、2セット目が始まる。

2セット目のテンテンコさん



2セット目はさきほどのオリジナル曲でのセットと変わり、レゲエ・ダブ・民族歌謡を感じさせる楽曲を中心にプレイ。混乱を隠し切れないのはテンテンコさんも同じだったのか、途中音が止まってしまうアクシデントが発生するものの、ますます盛り上がるフロアが印象的であった。

Back2Backの様子。

Back2Backの様子。



最後は他出演DJ陣が交代交代で曲をプレイ。クラブミュージックの定番曲も数多くプレイされ、BiSもカバーしたShinichi Osawaさんの「Our Song」など、ニヤリとする選曲も飛び出す。メインの出演者の出番が終わったにもかかわらず、多くの観客が最後まで会場に足をとどめていた。

多種多様なパフォーマンスが繰り広げられ、“なんでもあり”なイベントであったが、「サブカルチャーを広く取り扱い、観客の皆さんの中に新しい文脈を作るきっかけになること」という目的を多いに果たしてその幕を閉じた。