リオ五輪予選へ向けて強化を進めるU−21日本代表が、東南アジアでキャンプを行なっている。

 12月11日に日本を離れたチームは、翌日からバンコクでトレーニングを積んでいる。来年3月にマレーシアで開催される1次予選を見据えて、気候が似通ったバンコクで暑さに身体を馴染ませているのだ。

 14日にはU−21タイ代表と親善試合を戦ったが、手倉森誠監督は12日、13日と午前・午後の2部練習を課している。試合を軽視しているわけではなく、まずは暑熱対策に軸足を置いているのである。

 14日のゲームでは、前半と後半でメンバーを総入れ替えした。中1日で3試合をこなすアジア1次予選を見据えたものであり、2部練習をこなしてきた選手の疲労を考慮した判断だ。同時に、疲労を均一化することで翌15日の練習をリカバリーにせず、より実効的なものとする目的も含んでいた。

 試合に合わせてコンディションを調整したわけではなかったものの、U−21タイ代表とのゲームは悪くない内容だった。決定機を確実に生かしていれば、2対0どころか5、6点差をつけてもおかしくない一戦である。チャンスを決めきれなかった一方で、ピッチ上にはゴールへ向かう意識がみなぎっていた。好印象の理由がそこにある。

 新たに4−4−2に取り組んだチームで、存在感をアピールしたのは豊川雄太だ。
173センチの20歳は、2列目の左サイドから意欲的にゴールを狙った。開始8分には右足ミドルで相手GKを脅かし、15分には矢島慎也のアシストから先制ゴールをゲットする。「うまくつないでくれたので、あとはコースを狙うだけでした。入って良かったです」と、試合後には控えめな笑みを浮かべた。

「ダイアゴナルに走ることを意識した」と話したように、DFラインの背後や相手選手の「間」で何度もボールを引き出した。周囲の選手との連携もスムーズで、ディフェンスでも精力的に汗を流した。手倉森監督は「前への飛び出しとボールを取られた瞬間のチェイシング」をアタッカーに求めたが、豊川はふたつの課題を確実にクリアした。指揮官が語る。

「これまで招集したなかで、トヨの良さが存分に発揮されたのでは。運動量があるし、仕掛ける意欲もあるし、シュートまで持ち込む思い切りもある。これまでサイドをやっていた矢島や中島(翔哉)に勝負を打って出る態勢を、彼は示したのでは」

 入団2年目の鹿島アントラーズでは、開幕スタメンを勝ち取った。4節まで連続で先発した。その後は途中出場が多くなり、ベンチ入りのメンバーから外れることもあったが、終盤に再び先発で起用された。Jリーグ・アンダー22選抜でもプレーを磨いた。

 攻撃陣では久保裕也と南野拓実が注目を集めるなかで、まずアピールに成功したのは豊川だった。「鹿島と似ているのでやりやすい」というポジションで、彼は代表定着の足掛かりをつかみつつある。