<資料>
 今月に入ってから米株下落が急拡大してきた<資料参照>。これは、基本的には今週のFOMCでの政策変更に対する警戒感ではないか。

 16-17日とFOMCが予定されている。このFOMCでは、利上げまでの間隔を示すために声明で用いている「相当な期間」との表現の削除の可能性が注目されているが、これについて2日、フィッシャーFRB副議長は、「市場には驚きを与えたくない」と述べるとともに、「削除する時期が近づいているのは明らかだ」との見方を示した。

※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=16796

 こういったことから、FEDウォッチャーの間では、「株暴落などよほどのことがない限り、今回のFOMCで相当な期間という表現は削除される可能性が高い」との見方が強まった。こういったなかで、株下落が拡大してきたわけだが、FOMCへの警戒感が大きかったのではないか。

 このように株がFOMC前に急落したこと、また最近の原油価格急落が改めてインフレ懸念の緩和に作用する可能性があることから、今回のFOMCで利上げ接近の示唆と受け止められる可能性のある表現の見直しは見送るとの見方もあるが、果たしてどうか。むしろ「資産バブル」への牽制として、「相当な期間」を削除する可能性はないだろうか。

 11月8日、パリのシンポジウムでFOMCナンバー2、ダドリーNY連銀総裁は、2008年の金融危機を招いた信用バブルを米金融当局は未然に止められなかったと認め、世界の安定を支援する責務が米当局にはあると述べていた。これは、信用バブルの失敗を教訓に、「資産バブル」対策で後手に回らないという意味ではないか。

 現在の米株高は、低金利の長期化を好感する形で展開しており、「史上空前の金融相場」といえそうだ。米中間選挙が終わり、そして日本の総選挙も終わり、2016年の米大統領選挙までの間に、「資産バブル」の軟着陸を目指す動きが、今週のFOMCから始まる可能性は注目されるところだ。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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