アギーレが選んだ23人は順当な顔ぶれ。連覇へのポイントは――。 (C) SOCCER DIGEST

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 アジアカップを戦う23人は、順当な顔ぶれに落ち着いた。
 23人中、ブラジル・ワールドカップ経験者は14人。アギーレ体制になって初めて呼ばれたのは清武ひとり。その清武もブラジル組だから、サプライズというわけではない。

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 決勝まで勝ち進んだ場合、20日間で6試合を消化するアジアカップ。猛暑の中で過密日程を消化するこの大会を勝ち抜くには、ふたつのポイントがある。
 ひとつは主力組の成熟、もうひとつは控え組の底上げだ。
 
 チーム結成からの6試合で、これがレギュラーという11人の顔ぶれは見つかった。だが、ザッケローニ時代のポゼッション志向のつなぐサッカーから、ゴールに突き進む決めるサッカーへの移行には、時間がかかった。レギュラー組にしても、様々な状況に対応できるほど質が高いというわけではない。
 
 異なる環境、さらに中東勢という異なる敵と戦う中で、狙い通りのサッカーができるかは未知数。試合ごとに成熟度を高めていかなければ、2連覇は覚束ないだろう。
 
 また、主力組だけで勝ち抜けるほどアジアカップは甘くない。大会を勝ち上がっていく中で、レギュラーに割って入るような控え組の台頭が求められる。
 
 ブラジルW杯では選手層が薄かったため、グループリーグ3試合目で足が止まってしまった。
 アジアカップでも、これと同じことが起きても不思議ではない。Jリーグのレベルが低いこともあって、主力を脅かすバックアップが育っていないからだ。アジアカップという悪路を駆け抜けるには、「タイヤ」が足りない。
 
 アギーレが抜擢した中で新戦力として計算できるのは、武藤と柴崎のふたりだけだ。
 
 例えばCFは岡崎と豊田のふたりしかいないが、豊田はまだ出してみなければわからない。ホンジュラス戦でゴールを決めたが、チャンスを迎えても落ち着きがなく、力不足を露呈した。だが、その豊田が戦力にならなければ、CFは岡崎ひとりで乗り切らなければいけなくなる。
 CFだけではない。CBとアンカーも層が薄い。
 
 日本は1992年広島大会で初優勝を飾って以降、6大会で実に4度も優勝を飾った。わたしたち日本人が考える以上に、日本代表は強いと思われている。アギーレ監督は記者会見で「日本は優勝候補であり、大会の主役のひとつだ」と語ったが、ライバルは打倒日本を掲げて挑んでくるだろう。
 
 特に、グループリーグ3戦目のヨルダン戦は激しい戦いになるはずだ。
 2004年中国大会準々決勝のPK戦で、日本がふたり外したところから大逆転されたヨルダンは、この敗北をいまも忘れていない。2011年カタール大会のグループリーグで再戦したときも、国内のテレビでは何度も中国大会のPK戦の様子が流されていたという。
 
 また前回大会の決勝、李忠成のボレーに屈した開催国オーストラリアも、対戦が実現したら闘志をむき出しにして挑んでくるだろう。もしかすると地元のファンは、日本の対戦国の応援に回るかもしれない。
 
 何が起こるかわからないアジアカップ。質の高いチームで、レベルの高い競争が繰り広げられることが連覇への条件かもしれない。
 
文:熊崎敬