英国人選手のイアン・ポールターと言えば、ちょっとした変わり者で知られている。ツイッター狂で毒舌家。今年の春、松山英樹のグリーン上でのマナーをツイッターで激しく批判した出来事もあったから、日本でもポールターを変なやつだと思っている人は多いと思う。

 確かに、ポールターは風変りではある。つい先日も大好きなフェラーリの特別仕様を求めて、実に135万ドルの巨額を投入するつもりだとツイートして、大勢の人々から「そんな大金を車にかけるなんて信じられない」等々、驚きや批判のツイートを返されていた。
 だが、米メディアによれば、ポールターの今年の稼ぎは推定4300万ドルを上回るそうで、その中から趣味の車に135万ドルぐらい投入したっていいではないかという擁護の意見も多い。
 いや、そもそも自分のお金を何にどう使おうと、それはポールターの勝手なのだが、そのお金の使い道を彼はいちいちツイッターで公表するから、人々から批判も擁護も受けることになるわけだ。
 しかし、ポールターはただ面白がってツイッターを多用しているばかりではない。ツイッターを活用することで社会のためになることも行なっている。しかも、人々の興味や関心をなるべく多く惹きつけるユニークなやり方を考案し、実行している。そういうところが、ポールターの魅力でもある。
 ポールターは自身ゆかりの品々、主にゴルフクラブやゴルフシューズ、グローブなどの小物を含めた全423アイテムをオンライン・オークションにかけた。もちろん、チャリティのためのオークションだ。そのオークションの告知も宣伝も自らツイッターで行ない、広く参加を募った。その結果、わずか4時間半で2万9000ドルの売り上げを記録した。
 オークションの真っ只中でポールターはその様子を自らツイッターで「ライブ中継」した。すると、180万人に達する勢いの彼のフォロワーの中の1人が、ポールターにこんなツイートを送ってきた。
 「キミは(有名プロゴルファーという)特別な立場にいるのだから、(オークションの)全売り上げを倍額にする(寄付する)というのは、どうだい?」
 すると、ポールターは、その場で「よし、わかった。倍額の5万8000ドルにしよう」。
 こんな気前の良さもポールターの魅力である。日頃は好き勝手な言動が批判の対象になることもあるけれど、こんなふうに社会貢献に積極的だからこそ、彼のツイッターのフォロワーは日々増加し、根強いファンも増えていく。
 そう言えば、日本では男子、女子、シニアによる「3ツアーズ選手権」が開催され、「ゴルフの素晴らしさを伝えたい」と笑顔で意気込む青木功らのコメントが報じられていた。年齢や性別に関わらず、みんなが楽しめるのはゴルフの魅力。その魅力を3ツアーズのような形式の大会で直接的にアピールするのは、ゴルフファン拡大のための1つの手段ではある。
 そして、チャリティ活動などによる社会貢献、社会還元をプロゴルファーが積極的に行なうことで、ゴルフの素晴らしさ、プロゴルファーの素晴らしさを間接的に人々に実感してもらうこともゴルフファン拡大につながっていく。
 社会貢献のための活動は、欧米ゴルフ界では決して特別ではなく、むしろ当たり前のこととして認識されている。だが、日本のゴルフ界では、それがいまなお特別で、しかも積極的な活動はほとんど見られないのが現状だ。
 日本のプロゴルフ界が世界のゴルフ界から最も立ち遅れているのは、社会貢献や社会福祉の活動だ。規模や金額の問題ではない。一人一人の意識と意欲の問題。ポールターのような選手の独自の活動を眺めるにつけ、日本人選手たちには、もう少し、がんばってほしいと願わずにはいられない。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

【Gボイス】タイガー・ウッズが新スイングで復帰。今季は何勝すると思う?
【舩越園子コラム】タイガー・ウッズの長い旅
【スイング解説】タイガーの“新しくも、古き”最新スイング
【連続写真】タイガー・ウッズ2014年最新スイング(後方)