IDEOのデザイナーたちのための企業内チャレンジ・DesignsOnは、2008年にスタートし、地球温暖化、食料、出産といった一筋縄ではいかない問題に取り組んできた。その最新トピックとなったのは、エイジング(加齢)だ。平均寿命が長じ続けているいま、デザインを通して見えてくるものがある。

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2/7オウル(Owl):自分の考えや記憶を紙に書き、丸めて筒の中に入れる。デザインに凝ったタイムカプセルだと考えてほしい。記憶のほとんどがデジタル化された時代におけるオウルの目的は、時の流れをゆるめ、手に触れられる形でエイジングのプロセスを表現することだ。

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3/7ピルネックレス (Pill Necklace):IDEOロンドンにより考案されたこのネックレスは、薬に関する会話を促すことを目的としている。キャンディーネックレスに似たこのアクセサリーにより、身につけた人の周りにいる人々は、これまでどれほど多くの錠剤を飲んできたかを思い出すことになる。錠剤はディバイダーにより1日単位に分けることができる。利便性の点でいうと、このネックレスは多少手間がかかるものではあるが、この問題に関する会話を誘発するにはうってつけのアイテムだ。アッディは「少し挑発的な作品です」と語る。

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4/7グーフィーフットウォーカー (Goofy Foot Walker ):歩行器を使うと老けこんでしまったように感じられる。「誰もそれを使っているところを見られたくないのです」とアッディは語る。しかし持ち物に手を加えることができれば──それが歩行器であっても──面白みがない状況にちょっとしたユーモアをもちこむことができる。アッディが話すように「このライフステージに至ると、自分を存在否定したり、自己卑下することがある」のだ。

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5/7グレーミラー (Grey Mirror):IDEOボストンによって考案されたグレーミラーは、私たちがいま行う選択が、実際にその後の生活に影響を与えるということを思い起こさせてくれる。この鏡は、人工的に加齢させた写真を映すことで、数十年後に自分がどのように見えるかを示す。IDEOの願いは、現在におけるより良い選択を促すことだった。しかし、驚くまでもないことだが、複数の美容関係の企業がこのアイデアに強く興味を示した。「これはどの程度コンセプチュアルなものなのですか、とよく聞かれました」とアッディは話す。

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6/7オーヴァーデリヴァリー (Overdelivery):コンセプトの中には物質的な形をとっていないものもある。オーバーデリヴァリーは、物を届ける際にちょっとした配慮を加えるサービスだ。経歴に問題なしと認証されたスタッフが、重い箱を運んだり機器をセットアップしたりといった簡単な作業を行うことで高齢者を助ける。そのうちスタッフは利用者の健康に気を配るようになる──運送会社のユニフォームを着た孫であるかのように。

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7/7アップインイヤーズ (Up In Years):IDEOボストンにより考案されたキャンペーンは、ある隠された真実に目を向けさせる――あなたのおばあさんは、いまも色事が好きなのだ。IDEOは、高齢者の間で性病が深刻な問題になっているという事実を (多少の気まずさはあるかもしれないが) 率直に喚起する。「私たちはこのような事実があることを認識していて、解決策を探っているところです」とアッディは話す。

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オウル(Owl):IDEOパロアルトは、何年間にもわたって考えや知識の断片を留めることができるキットを考案した。オウルは80本のガラス製の筒を備えており、それぞれが人生における1年を表している。

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オウル(Owl):自分の考えや記憶を紙に書き、丸めて筒の中に入れる。デザインに凝ったタイムカプセルだと考えてほしい。記憶のほとんどがデジタル化された時代におけるオウルの目的は、時の流れをゆるめ、手に触れられる形でエイジングのプロセスを表現することだ。

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ピルネックレス (Pill Necklace):IDEOロンドンにより考案されたこのネックレスは、薬に関する会話を促すことを目的としている。キャンディーネックレスに似たこのアクセサリーにより、身につけた人の周りにいる人々は、これまでどれほど多くの錠剤を飲んできたかを思い出すことになる。錠剤はディバイダーにより1日単位に分けることができる。利便性の点でいうと、このネックレスは多少手間がかかるものではあるが、この問題に関する会話を誘発するにはうってつけのアイテムだ。アッディは「少し挑発的な作品です」と語る。

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グーフィーフットウォーカー (Goofy Foot Walker ):歩行器を使うと老けこんでしまったように感じられる。「誰もそれを使っているところを見られたくないのです」とアッディは語る。しかし持ち物に手を加えることができれば──それが歩行器であっても──面白みがない状況にちょっとしたユーモアをもちこむことができる。アッディが話すように「このライフステージに至ると、自分を存在否定したり、自己卑下することがある」のだ。

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グレーミラー (Grey Mirror):IDEOボストンによって考案されたグレーミラーは、私たちがいま行う選択が、実際にその後の生活に影響を与えるということを思い起こさせてくれる。この鏡は、人工的に加齢させた写真を映すことで、数十年後に自分がどのように見えるかを示す。IDEOの願いは、現在におけるより良い選択を促すことだった。しかし、驚くまでもないことだが、複数の美容関係の企業がこのアイデアに強く興味を示した。「これはどの程度コンセプチュアルなものなのですか、とよく聞かれました」とアッディは話す。

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オーヴァーデリヴァリー (Overdelivery):コンセプトの中には物質的な形をとっていないものもある。オーバーデリヴァリーは、物を届ける際にちょっとした配慮を加えるサービスだ。経歴に問題なしと認証されたスタッフが、重い箱を運んだり機器をセットアップしたりといった簡単な作業を行うことで高齢者を助ける。そのうちスタッフは利用者の健康に気を配るようになる──運送会社のユニフォームを着た孫であるかのように。

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アップインイヤーズ (Up In Years):IDEOボストンにより考案されたキャンペーンは、ある隠された真実に目を向けさせる――あなたのおばあさんは、いまも色事が好きなのだ。IDEOは、高齢者の間で性病が深刻な問題になっているという事実を (多少の気まずさはあるかもしれないが) 率直に喚起する。「私たちはこのような事実があることを認識していて、解決策を探っているところです」とアッディは話す。

世界は急速に加齢しているが、わたしたちの寿命も延びている。世界的にみると、平均寿命は1990年と比較して6年間延びており、これがもつ意味は数字以上に大きい。平均寿命が変わると、わたしたちが加齢に対して抱く考えも変わるのだ。

しかし、大きな問題がある。その事実に対し、デザイン界はほとんど注意を払っていない──。

DesignsOnの最新プロジェクトのため、IDEOは自社の各オフィスにこの問題に取り組むためのデザイン作品を考案するよう呼びかけた。

DesignsOnはIDEOのデザイナーたちのための企業内チャレンジとして2008年にスタートし、地球温暖化、食料、出産といった一筋縄ではいかない問題に取り組んできた。その最新トピックとなるのがエイジング(加齢)だ。

これは想像力を働かせて、問題についてコンセプチュアルに思考するためのエクササイズであり、クライアントによる制限なしに困難な問いに対して答えを出す良い機会でもある。例えば、このような問いに対して──良いデザインを通じてエイジングのプロセスを改善するにはどうしたらよいか。

世界中のデザイナーたちから集まってきたさまざまな答えが、19種類のコンセプトに結実した。「話題になっていることや統計、風説といったものすべてに関し、デザインの手が及んでいないように感じられたので、わたしたちはこのプロジェクトを始めました」。IDEOのアソシエイトパートナーであり、DesignsOnのエイジングプロジェクトを率いるグレッチェン・アッディはそのように語る。

数十年前といまでは、年齢の体験の仕方が異なる。現代の人々は、ライフステージのことは考えても、年齢自体についてはあまり考えない。「わたしの親の世代では、想定される寿命は最長でもおそらく75歳でした」とアッディは話す。「彼らが50歳や55歳になったときの考えは、今日の人々が50歳や55歳の時点で抱く考えとは異なっていました」。

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