乳牛は、いつもいつも牛乳が出るの?「妊娠と出産を繰り返す」

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そのまま飲んでも美味しい! そして幅広い料理で活用できるのが「牛乳」です。栄養価も高い飲み物で、継続摂取で様々なメリットを得られると言われていますよね。さてそんな「牛乳」が「牛」の「乳」だということは、すでに皆さんご存じのはず。

でもこれって、雌の牛ならいつでも出るものなのでしょうか。牛乳の秘密に迫ります。

■乳は子牛を育てるためのもの

乳を出すのは、人間も牛も同じです。人間の場合母乳が出るのは、赤ちゃんを産み、育てるために必要な期間です。多くの場合1年〜2年ほどでしょう。もちろん牛にとっても、乳の役割は同じ。自分が産んだ赤ちゃんを育てるための飲み物なのです。

雌の牛であれば、どんな牛でも乳を出すことが出来るわけではありません。乳を出せるのは、子どもを出産したあとの雌の牛のみ。出産の2〜3カ月後が、乳が出るピークとなり、およそ10カ月間搾乳が続けられます。

■妊娠と出産を繰り返す

10カ月間毎日搾乳を続けた牛は、その後2カ月間休養に入ります。その後はまた種付けされて、妊娠期に。出産を経て、また乳が出る状態を迎えます。牛の妊娠期間は10カ月ほどですから、休養期間と合わせておよそ1年は乳が出ない状態であることが分かります。

■たくさんの牛で支えている!

牛から乳を搾れる期間は、実は限られたもの。しかしスーパーへ行けば、一年中いつでも牛乳を購入することが可能です。これは、たくさんの牛が「乳牛」として働き、この仕組みを支えてくれているからなのです。「乳牛」とは乳をより出せるように品種改良された牛のことを指しますが、牛が1年で出す乳の量は、平均で約8,000キロだと言われています。

もちろんこの量には個体差があり、牛の中には年間乳量が20,000キロも超える牛もいます。そんな牛は「スーパーカウ」と呼ばれています。

■乳牛としての役目を終えると……

妊娠と出産、搾乳を繰り返すという大変な役割を担う乳牛は、生後6〜7年で衰えを見せ始めます。繁殖能力や乳量が落ちるので、乳牛として働くことは難しくなります。こうした牛は、その後食肉用の牛へとまわされるのです。

「牛乳」と「牛肉」、そしてそれを支えてくれている牛たちの仕組みを考えると、日々の食事にもより感謝の気持ちが持てるのではないでしょうか。

手軽に飲める牛乳ですが、実は特別な飲み物なのですね。免疫力強化やイライラ防止、ダイエットや便秘解消など、女性にとってはメリットいっぱいの牛乳。あなたも今日から、一日コップ一杯の牛乳生活を始めてみませんか?