投票行動の切り替えを呼びかける、山本太郎氏

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 安倍政権の身勝手で始まった選挙ですが、多くの有権者は誰に投票すればいいのか迷っている事と思います。解りやすい受け皿を作る最大の努力を野党がしていませんから。

 口で言っても、本気で安倍政権打倒、自民公明連立政権を倒す、と言う決意は今回の選挙スタイルからは感じられません。安倍政権になってからの約二年間、散々な目に合わされた記憶も、少数派の野党は採決においては何の役にも立たない、と言う現実を国会で毎日見せつけられた屈辱、もうお忘れになったのでしょうか? 

 人々の首が絞まる様なルール変更の嵐、強行採決された後に、何の手だてもない自分たちが、「力を合わせて頑張りましょう」と有権者に対して虚しい訴えを繰り返した日々はもう過去の事か?

 少なくとも、衆議院での自公議席を上回る決意、を形にする最大限の努力は必要だった。最大の努力とは、野党が一つの受け皿になる「統一名簿方式」のことです。結局、選挙はそれぞれ戦って、選挙後に国会内で手を繋ぐ、と言う話になった。

自民VS野党の一騎打ち選挙区を狙え!

 その中でも、唯一の希望はあります。自分たちが生き残る為の策として野党が行った、候補者調整です。

 前回の衆院選では、一つの選挙区で、自民VS野党VS野党VS野党、結果は自民勝利、と言う最悪の事態が多発。それぞれの選挙区で野党候補の得票数を足すと、自民票を上回っているのに、結果は自民が勝利。国会内は、自民党に占拠される状態になりましたよね。

 今回は、野党が行った候補者調整で、事実上、自民VS野党の一騎打ち、と言う選挙区を多く作れた事により、野党候補が勝利出来る確率が高まった。今回の選挙は、どう考えても与党が入れ替わる位の大きな動きにはならない。

 じゃあ今回の選挙での最終獲得目標は何?って事ですよね。

 僕は、安倍政権を退陣に追い込む事、だと思います。その為には、自民VS野党の一騎打ち、を各選挙区で盛り上げる事が必要。茶番でプロレスの政治ですから、安倍政権が倒れても、変わりの役者でゲームは続行、となるでしょう。

 でも、安倍総理を退陣に追い込めれば、皆さんの生活破壊が行われる現在の政治の暴走のスピードを少しは緩める事はできる、と考えています。ヤリ過ぎれば選挙で落とされる、と言う当たり前の緊張感を改めて政治家に植え付ける事ができるのです。

 野党、と言っても第2自民党、第3自民党みたいな政治家がウヨウヨいるじゃないか。市民の力を結集した新しい勢力を!と言い続ける僕が、主義主張を捨てて野党を勝たせようとする動き、違和感がある人もいるかも知れない。そりゃそうです、一致点は安倍政権打倒のみ、ですから。

 でも、この場面を理解して欲しいんです。衆議院でのパワーバランスを野党側に戻す力を今、みんなで注がなければ、この先、待機中の悪法が、来年の統一地方選の後に、矢継ぎ早に決められてしまうんです。大企業・大資本の為の、ノンストップ政治が幕を開けてしまう。

 グッと堪えて、思いを飲み込んで、このプロレス政治の中でも、国会での暴走をスローダウンさせる事を目標とし、今回は「小選挙区」では勝てる野党に力を集める、市民の新しい勢力を結集して戦う選挙は、統一地方選から、と山本太郎は決めました。

自民党を落とす」投票行為に切り替えを

 自分が住んでる選挙区で、自分が支持する政党や候補者が小選挙区で勝ち目がないのが明らかならば、「自民党を落とす」という投票行動に切り替えなきゃ安倍退陣は叶わない。それさえも出来なきゃ、状況は悪くなる一方。

 でも、誰に投票していいか、わからない。そんなあなたの為に、を立ち上げる事にしました。

 山本太郎事務所スタッフとボランティアがブラック企業顔負けの、不眠不休で作ったものです。サイトを作り、有権者に対してそれぞれの選挙区で自民党議員を削る為だけの情報を広めていこうと考えています。

 前回の選挙結果から、負けはしたが、いい勝負をした候補者、自民党候補が勝った選挙区で、それに続く2位、3位の得票数が1位のそれを上回った地域、などの情報をリストアップしています。

「げー、この候補者かよー」

 と、感じる選挙区もあるでしょうが、そこは、それぞれで判断して下さい。今回の衆院選での、あなたの最終獲得目標は何か、考えて欲しいんです。

 僕自身は全国各地に応援に入ろうと思っています。ただ、僕が入れば票を削ることになる可能性もありますから。打診があれば動く感じで。すでにオファーはいくつかありますよ。

 選挙戦も中盤になってくるとあいつの応援なんていらん、と思っていた人も、何でもいいから呼べ、って変わるかも知れませんから。常にスタンバイしておきます。

著者プロフィール

参議院議員

山本太郎

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。

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(取材・文/DMMニュース編集部)