自撮りも仕事も使える、ムービーカメラ「iVIS mini X」をカメラ好きライターが使ってみた

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10月に発売されたばかりのキヤノンのムービーカメラ「iVIS mini X」を借りることができた。何でも小型ながら超広角撮影が楽しめて、音質もめっちゃ良いらしい。

キヤノン「iVIS mini X」実機写真ギャラリー

僕は写真を撮るのが趣味なので、デジカメはちゃんとしたやつを持ち歩いているのだけど、動画に関してはそれこそスマホで済ませてきたタイプだ。だってビデオカメラってかさばるし、今どきデジカメにも動画機能がついてるし、旅行なんかで荷物を減らしたいときは、真っ先に除外してしまうのだ。

そんな感じだったので、最初にレビューの話が来たときはちょっと気乗りしない感じだったのだが、使ってみるとびっくり! めちゃくちゃ便利で、ムービー専用機の底力を痛感したのだった。

何がすごかったのか。「iVIS mini X」の機能を紹介しながら説明していこう。

■すごい広角&超コンパクト! 基本スペックもすごい

まずは基本スペックから押さえておこう。「iVIS mini X」は前モデルとなる「iVIS mini」の後継機にあたるムービーカメラで、超広角レンズを搭載。動画対角160°(MP4撮影時)というウルトラワイドな撮影を楽しめるのだ。160°といってもピンとこないかもしれないので、写真で説明しよう。

同じ場所からiPhoneで撮影した場合と比べると、撮れる範囲がぜんぜん違うのがわかるだろう。

これだけでも「iVIS mini X」は面白いのだけど、それだけではないのだ。

まず驚かされたのは、そのコンパクトさと形。ムービーカメラといえば、いわゆるハンディカムみたいな形状しか知らなかったので、この薄くてコンパクトな形にはちょっとびっくり。普段、取材用に持ち歩いているボイスレコーダーと、さほど変わらない大きさなのだ。そういえば、GpProに代表されるアクションカメラはかなりコンパクトだよなぁ。

といっても「iVIS mini X」は別にアクションカメラというわけではない。そういう風に使えるかもしれないけど、たぶんメーカーが想定している用途はアクションカメラではないし、防水や耐衝撃性もないので、やっぱり違うと思う。

じゃあどういう使い方を想定しているのかというと、超広角撮影を生かした室内での自分撮りや、旅行やレジャーなどでの自分撮りだろう。これくらいワイドだと狭い部屋でも余裕で収めることができるし、旅行では家族全員が入って、なおかつ背景も一緒に収めることができるからだ。

それはもうよくわかるのだけど、今回僕が「iVIS mini X」を使って思ったのは、これってボイスレコーダー代わりに「取材」で使えるんじゃないかということ。実際、「iVIS mini X」を使っているライターさんもいるらしい。

そこで、実際にインタビューで使ってみたところ、思った通り、ものすごく便利だったのだ。本来なら、そのときの映像を使いながら説明するべきなのだろうけど、それはちょっとできないので、代わりに公園で撮ってきた映像から写真を切り出して説明していこう。

■ビジネスシーンでも大活躍!「iVIS mini X」の能力を検証

まずは何度も触れたけど、「iVIS mini X」の超広角撮影がすばらしい。1対1のインタビューならともかく、座談会など大人数の取材では、音声だけを録音しても「誰が言ったのか」がわからなくなることが多い。何しろ、たいていの場合は初対面だし、そもそも声が似ていることも多い。

そんなとき、映像で記録しておけばあっさり解決。これは取材だけじゃなく、ミーティングなどにも言えることだと思う。しかもワイドに撮れるおかげで、狭い部屋でも全員を画面に入れることができるし、ホワイトボードやプレゼン用のスクリーンなども一緒に撮れるから、キーボードとデジカメの間で手を往復させる必要がない。「記録」という意味では、映像は間違いなく最強だ。

持ち運びの点では、「iVIS mini X」のコンパクトさがかなりの武器になる。移動が多い職業柄、なるべく機材は軽量コンパクトにまとめたいところ。その点、こいつなら普段使いしている取材用の鞄の隙間にすんなり入るので、十分ボイスレコーダーと置き換えることが可能なのだ。

鞄のどこに「iVIS mini X」が入っているかわからないほど小さい。

正解は鞄の隅の小さな隙間! こんなところにでもすんなり収まってくれる。

もちろん、通常のビジネスバッグにも収まるだろう。同じ軽量コンパクトでも、ずんぐりした体型だとこうはいかない。「iVIS mini X」の薄型ボディはよく考えられていると感じる。

また、スタンドが付いており、角度変更ができるところも魅力的だ。

水平に置いた状態から、思い切り角度をつけた状態では、かなり撮れる範囲が変わる。ポイントは、三脚など余計な追加機材なしでこれができること。使わないときはスタンドをペタッと折ってたためるのも良い。スタンドは十分な剛性があって、勝手に動いたりすることはなかった。もちろん、三脚にセットすることもできるけどね。

■ 映像と音声の仕様も、申し分なし

肝心の映像と音声だけど、これも驚くほど細かく設定ができる。特に音声へのこだわりはものすごく、いわゆるオートモードである「スタンダード」の他に、屋内での音楽を収録するための「音楽」、野外音楽イベント向けの「フェスティバル」、講演などで便利な「スピーチ」、複数の人の声を聞き取りやすくする「ミーティング」、自然の音の広がりをクリアに録るための「森と野鳥」、風や自動車走行音などの騒音を軽減する「ノイズカット」といったモードが用意されている。

また、自分で細かくパラメータを調整できる「カスタム」モードもある。通常はスタンダードだけでも十分だけど、場合に応じて切り替えるとさらに音質がよくなるというわけ。

実際、音質に関してはかなり満足。モードは限られるけど、リニアPCM記録が可能なのは大きい。今回は人の声と公園での自然の音しか録っていないけど、ボイスレコーダーにも負けないクリアな音が録ることができた。

ノイズカットが上手なのも驚き。これなら「音楽」モードを使えば、ライブの音なんかもかなり綺麗に録れそうだ。外部マイク入力があるのも、音質にこだわるユーザーとしては嬉しいところだろう。

画質も良好。mp4以外にAVCHDフォーマットでも記録できる。画質は3段階から選べるので、カードの容量やデータの大きさも考えて選びたい。個人的には真ん中のフルHD標準画質とmp4で十分だった。

映像モードも「マクロ」「夜景」「車内」「スポーツ」「グルメ・ファッション」「スノー」「ビーチ」など多彩。「車内」が用意されているのが面白い。ワイド撮影できるから、車載ビデオにもぴったりということか。ま、通常はオートで十分だけど、これも用途に応じて分けるといいだろう。

バリアングル液晶は自撮りの必需品。超広角なので、手持ちでもかなりの範囲が入る。液晶は晴天時にちょっと見にくいのだけど、通常時なら十分だ。

バッテリーの駆動時間は2時間40分と、十分な長さ。セミナーを一日中録画するなんて使い方はできないけど、一般的な仕事では余裕でもってくれる。

最近のデジモノらしく、Wi-Fiを搭載していて、スマホアプリからコントロールすることもできる。メニューからライブストリーミングリモコンを選んで、スマホからWi-Fi接続するだけ。アプリ側から露出をいじることができるのは便利。室内で演奏やダンスを自分撮りしてyoutubeにアップするのに便利そうな機能だけど、それ以外にも色々使い道はありそうだ。

たとえば室内のパーティーなどを広く録画するためにはかなり高い場所に「iVIS mini X」をセットする必要があるので、そういうときのオンオフにスマホを使うと便利だろう。また、家族旅行などでも、いちいちセットした「iVIS mini X」のところまで走っていくところが記録されずに済む。

ということで、あらゆる点で大満足の「iVIS mini X」。弱点らしい弱点は見当たらなかったけど、強いていうなら液晶のタッチパネルの感度がもうちょっと良ければな〜という感じだ。同社のミラーレス「EOS M」のタッチパネルがかなり優秀なだけに、期待してしまう。

まぁそれは些細なことで、「iVIS mini X」はプライベート以外に、仕事でもかなり役立ってくれるカメラなのだった。